2000 Fiscal Year Annual Research Report
顎機能障害に対する手動型2自由度開閉口訓練装置の開発ならびに臨床適用に関する研究
Project/Area Number |
11671983
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Research Institution | YAMANASHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大月 佳代子 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (20185325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高西 淳夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50179462)
大西 正俊 山梨医科大学, 医学部, 教授 (50014139)
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Keywords | 手動型2自由度開閉口訓練装置 / リハビリテーション / 下顎運動障害 / 理学療法 / 開閉口訓練 / 下顎の回転運動 / 下顎の滑走運動 |
Research Abstract |
下顎運動障害症例に対しては、従来より簡単な運動路1自由度、上下方向のみの下顎頭の回転運動を行なわせる開口訓練装置による開口訓練が行われており、いずれの各種開口訓練装置も、顎間距離、開口距離を拡大する単純な機構から構成されている。これに対し、本研究では、手動型で、かつ2自由度を有する開口訓練装置を開発し、実際の臨床例に適用しその成果を検討した。 手動型2自由度開閉口訓練装置の開発 本装置の機構は従来の上下方向のものに、歯車軌道を組込ませ、上下歯列への挿入先端の下方部分を前後に移動させるものである。本装置と上下顎歯列は即時重合レジンの歯型金属トレーによって連結される。本装置は重量700gと軽量で、取り扱いも簡便、携帯も自由で、操作費も安価である利点がある。 臨床適用 本装置は、従来の開口装置がもつ上下方向のほかに前後方向の運動路を有する装置で、簡便かつ手動による開閉口訓練が可能であった。本装置の臨床適応に、より確実に前後方向の下顎滑走運動を行なわせることにより、下顎頭を中心とした関節包、靭帯、開閉口筋に、より大きな運動域、距離を正常に準じて機能させることが可能となったことで、極めて有効な臨床効果が得られた。その結果、下顎頭、関節円板、その他の前述の周囲組織、関連器官に存在する非生理的な線維性の癒着、拘縮を剥離、伸展させ得たことが、好成績の理由であると考察される。 対象症例は顎関節疾患(繊維性癒着症)による関節性あるいは、下顎骨骨髄炎、顎顔面外傷などの瘢痕性開口障害症例などであり、手動型2自由度開口訓練装置は、下顎運動障害症例のリハビリテーションとして有効であった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 大月佳代子: "開閉口訓練ロボットによる下顎運動障害の理学療法-遠隔医療への展開-"日本口腔科学会雑誌. 50・3(印刷中). (2001)
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[Publications] 大月佳代子: "開閉口訓練ロボットによる下顎運動障害の理学療法-現状と今後の展開-Dental Robotiesの確立をめざして"日本顎関節学会雑誌. 13・1(印刷中). (2001)
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[Publications] 大月佳代子: "顎関節鏡視下円板縫合・固定術と顎間牽引術後に下顎頭の再生をみた1症例"日本顎関節学会雑誌. 11・1. 30-35 (1999)
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[Publications] 大月佳代子: "下顎運動障害症例の理学療法-開閉口訓練ロボット(Waseda Yamanashi-4)の開発"日本顎関節学会雑誌. 11・3. 168-172 (1999)
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[Publications] 大月佳代子: "顎関節鏡視下円板縫合・固定術と顎間牽引療法による慢性関節リモデリングにともなう変形性顎関節症の治療-処置後、顎関節の再生、リモデリングのみられた開咬症例"関節鏡. 24・1. 63-67 (1999)
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[Publications] 高信英明: "デンタルロボテイクスを応用した開閉口訓練ロボットの開発と治療への応用"日本顎関節学会. 9・1. 72-79 (1997)
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[Publications] 大月佳代子: "臨床医のための顎関節疾患"末永書店 石橋克禮,井上宏 他. 76-80 (1998)
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[Publications] 大月佳代子: "顎関節症のとらえ方と対応の仕方-診断と治療の実際-"日本歯科評論 岡達,藍稔. 77-120 (1998)