1999 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌に対するHSVtk遺伝子とGCVを用いた自殺遺伝子治療に関する研究
Project/Area Number |
11671984
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 康司 名古屋大学, 医学部, 講師 (10238131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 実 名古屋大学, 医学部, 教授 (00151803)
各務 秀明 名古屋大学, 医学部, 講師 (80242866)
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Keywords | 自殺遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / アデノ随伴ウイルスベクター / HSVtk遺伝子 / ガンシクロビル |
Research Abstract |
頭頚部癌の治療成績の向上を目的とした新たな治療法として遺伝子治療の開発研究が進められている。いくつかあるストラテジーの中で単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子(HSVtk)とガンシクロビル(GCV)を用いる自殺遺伝子治療はその臨床応用が比較的早期になされる可能性があり注目されている。そこで、我々はアデノウイルスベクター(Ad)、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を用いてヒト口腔扁平上皮癌細胞に対する自殺遺伝子治療の効果を検討した。 まず、ヒト扁平上皮癌由来細胞株にlacZ遺伝子を含むAd-LacZ、AAV-LacZを感染させ、それぞれのベクターの導入効率を評価した。その結果、Adにおいて、MOI:1で15〜30%、MOI:10でほぼ100%の細胞に遺伝子を導入することが可能であることを確認した。また、AAVの導入効率は、MOI:1000で20〜50%、MOI:100000でほぼ100%であった。続いて、HSVtkを含むAdおよびAAVを感染させ引き続いて抗ウイルス剤のGCVを添加し、その後、経時的に生細胞数を計測し殺細胞効果を検討した。その結果、Adにおいて、MOI:1で70〜80%、MOI:10でほぼ100%の殺細胞効果を確認した。また、AAVにおいては、殺細胞効果は、MOI:1000で約80%、MOI:10000でほぼ100%であった。 本年度は、in vitroにおける両ベクターの導入効率および殺細胞効果を検討しHSVtk/GCVを用いた自殺遺伝子治療が有用であることを確認した。平成12年度は、in vitroにおける抗腫瘍効果、導入効率などを確認する予定である。
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Research Products
(1 results)