Research Abstract |
実験動物としてddyマウスを用いた.環境汚染物質としては,PCB,PCDF,PCDDを使用し,マウスに腹腔投与する.投与後1日,4日,7日,2週,3週,4週,8週,12週,16週に屠殺する.対照群は溶媒のみを投与し,同様の実験系で経日的にに屠殺した.各郡のマウスを潅流固定し,舌,頬粘膜,歯肉および皮膚を切除し,光顕用と電顕用の資料を作製した. (1)光顕観察:組織をパラフィン包埋し,薄切後,HE染色を施し,光顕観察を行った.舌および頬粘膜において投与後一週以降の郡で,空砲変性および軽度の炎症所見がみられた. (2)増殖因子に関する免疫組織化学:パラフィン切片あるいは凍結切片を用いて,PCNA,Ki-67のモノクロナール抗体を用いて免疫組織化学染色を行った.これらの染色においては,対照群と比較して有意な差はみられなかった。 (3)アポトーシスに関して,baxおよびbcl-2に関する免疫組織化学,およびTUNEL法による形態学的検討を行った.舌および頬粘膜において,投与後1週以降の実験群では,アポトーシスが誘導されている可能性が示唆された. (4)癌関連遺伝子としてp53およびp21の免疫組織化学染色を行った.p53に関しては,経日的に陽性細胞の増加が認められた.p21は,対照群と実験群で有意差が認められなかった. (5)電顕観察:通法に従い樹脂包理切片を作製し,酢酸ウランおよびクエン酸鉛の二重染色を施し観察した.投与後1週の実験群で,核濃縮やミトコンドリアの異常を示す個体が多く認められた.
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