2001 Fiscal Year Annual Research Report
口腔顔面領域の慢性疼痛モデル動物における侵害受容ニューロン情報伝達変容の究明
Project/Area Number |
11671999
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
岩本 將嗣 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20223430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲西 修 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50137345)
坂本 英治 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (00295859)
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Keywords | 三叉神経脊髄路核尾側亜核 / 視床腹側基底核群 / 視床髄板内核群 / 侵害受容ニューロン / ホルマリンテスト / ラット / 三叉神経 / スパイク発射数 |
Research Abstract |
本年度の研究では、我々が一昨年度の研究で行動学的に信頼性のある基礎麻酔法として確立した、ウレタン・α-クロラローズ麻酔下のラットにおいて、三叉神経系感覚入力伝達系である、三叉神経脊髄路核尾側亜核・視床腹側基底核群・視床髄板内核群の侵害受容ニューロンに対して侵害刺激として『ホルマリンテスト』を行った際のスパイク発射活動を、微小ガラス管電極を使用して観察した。単一ニューロンの細胞外電位を導出し、自然刺激(ブラッシング、ピンチ)で、受容野の確認と機能的同定を行った。その後、末梢受容野皮下へ5%ホルマリン50μlを注入し(ホルマリンテスト)、単一ニューロンのスパイク発射を60分間にわたり観察した。発射活動は、すべてデーターレコーダーに記録・保存し、実験終了後、スパイク発射数のヒストグラム(PSTH)を作成し最高発射数による経時的変移の検討を行った。以上は昨年までの実験でも行ってきた。解析の結果、3種のパターン(二相性の増加、単相性の増加、特定の傾向なし)に分けられた。また後日、各個体において、記録部位を組織学的に確認した。 別の実験群では、同様のウレタン・α-クロラローズ麻酔下ラットにおいて、マイクロダイアリシスプローベ挿入による化学伝達物質定量観察を行った。挿入2週間後、問題がなかった個体のみ実験に用いた。前述の電気生理学的実験群と同様の基礎麻酔および刺激を行ったうえで、疼痛刺激に反応する神経伝達物質としてグルタミン酸量を測定した。 三叉神経脊髄路核尾側亜核においては、マイクロダイアリシス法によるグルタミン酸量の推移はこれまでの電気生理学的実験の結果とほぼ同様の結果が得られた。視床腹側基底核群においては、グルタミン酸量の推移は特定の傾向を示さなかった。視床髄板内核群においては侵害受容ニューロンの導出数も少なく、グルタミン酸量の定量も困難であった。
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