2000 Fiscal Year Annual Research Report
DD法を用いた口腔扁平上皮癌細胞の浸潤転移関連遺伝子の検索
Project/Area Number |
11672002
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
奥村 一彦 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (60194510)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨岡 敬子 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (10227613)
|
Keywords | 浸潤転移関連遺伝子 / DD法 / 口腔扁平上皮癌細胞 |
Research Abstract |
ヒト舌扁平上皮癌細胞SASから得られた浸潤性の異なる細胞株SAS-H1(高浸潤性)とSAS-L1(低浸潤性)を用いて,それぞれの細胞から全RNAを調整しローダミン蛍光標識Differential Display法により浸潤性に差のある癌細胞間で発現しているmRNAの差異を検索し,浸潤転移を制御する遺伝子の探索を試みた.【材料と方法】ヒト舌原発巣から樹立されたSAS細胞から限界希釈法によって得られたクローンを肺血管内皮細胞層下への癌細胞潜り込みを指標にした浸潤アッセイで選択した,高浸潤性クローンSAS-H1と低浸潤性クローンSAS-L1を用いた.方法は,タカラの蛍光ラベルdifferential display kitを用いて行った.すなわち,各クローンからTotal RNAを抽出し9種類のローダミンラベルされたdown streamプライマーと24種類のupstreamプライマーを用いて216通りの組み合わせを使用しPCR反応を行った.次に,変性ポリアクリルアミドゲルで電気泳動後,両者間で異なる発現を示すバンドをゲルから切り出し回収したcDNA断片をPCRで再増幅後pUC18ベクターにつなぎ込み,検討を行った.さらにABI Genetic Analyzer310シークエンサーを用いて得られたcDNA断片の塩基配列を決定した.【結果】RT-PCRで再現性を確認できた遺伝子として,1つは低浸潤性で強く発現していた390bpのcDNA断片でLIEG-1と名付け,もう一方は高浸潤性で強く発現していた288bpのcDNA断片でHIEG-1と名付けた.各々の塩基配列についてBLASTを用いたホモロジー検索を行ったところ,低浸潤性で強く発現するcDNA断片LIEG-1は1番染色体に存在するRP5-926E3のヒトDNAに100%一致する結果が得られた.一方,高浸潤性で発現が増強したHIEG-1遺伝子については相同性のある既存の遺伝子は得られなかった.
|