2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672005
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
朝波 惣一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70051670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 秀行 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60154233)
岡田 豊 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00129371)
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Keywords | 低出力レーザー / 人工歯根 / 骨形態計測 / 薄膜HAコーティング / 類骨石灰化速度 |
Research Abstract |
インプラント埋入後の周囲骨組織に及ぼすHe-Neレーザー照射の影響について家兎を用いた実験をすすめてきた。実験動物には白色家兎を用い、切歯後方の下顎骨体部に直径2mm長さ3mmの純チタン製インプラント体を片側につき2本づつ埋入した。うち1本は薄層HAコーティング処理をおこなっている。埋入後、片顎のみにHe-Neレーザー(10mW)を1日10分間、連日4日間照射した。埋入14日、21日、28日後に屠殺し、インプラント体と共に顎骨を摘出、研磨標本を作製した。測定はインプラント体欠損部表面(2.2mm)への海綿骨接触距離を測定した。その結果レーザー非照射下におけるTiとHAを比較するとHAコーティングチタンはTiに較べ埋入直後早期から高い骨接触率を呈し、2週例で4.0倍,3週例で3.0倍,4週例では2.1倍と有意に高値を示した。しかしその差は経時的に減少していた。こうした条件のもと、照射による変化はHA群では認められないが、Ti群については骨接触率の促進傾向を呈し、特に埋入初期の2週目において2.54倍と有意の増加を認めた(P<0.01)。以上の結果から、今回の照射条件下においてHe-Neレーザーの照射は類骨層石灰化速度の上昇,新生骨形成量の増加,さらにTiで埋入後早期の骨接触率の増加がみられたことからインプラントの初期固定に対し有利にはたらくと考えられる。
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