1999 Fiscal Year Annual Research Report
口腔悪性腫瘍における第21番染色体上のLOHの検索
Project/Area Number |
11672011
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
柴原 孝彦 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (50178919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹沢 秀樹 千葉大学, 医学部・口腔外科学, 教授 (50236775)
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Keywords | 第21染色体 / ヘテロ接合性消失(LOH) / 遺伝子不安定性(MI) |
Research Abstract |
第21染色体におけるヘテロ接合性消失(LOH)の解析が、多くの腫瘍で行われている。本研究では、口腔扁平上皮癌の第21染色体長腕上でのLOHの状況を詳細に検索することを目的とした。対象は、東京歯科大学口腔外科および千葉大学医学部附属病院口腔外科を受診した口腔扁平上皮癌患者から抽出したDNAである。LOHは、第21染色体長腕上にマップされている17カ所のマイクロサテライト領域を検索し、乏失地図の作製を行った。さらに得られた結果と各種臨床指標を統計的に検索した。Informativeな症例の中で少なくとも一カ所以上にLOHが認められた。そのうち、三カ所の領域において他領域に比べ高頻度のLOHが認められた。また、一カ所では遺伝子不安定性(MI)がみられ、同領域のMIとT分類との間に有意な関連性が認められた。本研究の結果、口腔癌の発生に関与する未知癌抑制遺伝子が第21染色体長腕上に少なくとも3つ以上存在しており、さらに一カ所のMIの有意が口腔癌腫瘍径の一つの決定因子である可能性が考えられた。また21qに存在するANA遺伝子の口腔癌発生への関与を検討するため同遺伝子異常の検索とANA遺伝子近傍のLOHの検索も併せて行った。その結果、一例にANA遺伝子の2ヒット変異と思われるコドン121でのミスセンス変異およびLOHが高頻度に認められた。ANA遺伝子は一部の口腔癌の発生に関与しており、同遺伝子のセントロメア側には未知癌抑制遺伝子が存在する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)