2001 Fiscal Year Annual Research Report
口腔悪性腫瘍における第21番染色体上のLOHの検索
Project/Area Number |
11672011
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Research Institution | TOKYO DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
柴原 孝彦 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (50178919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹沢 秀樹 千葉大学, 歯学部, 教授 (50236775)
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Keywords | 第21番染色体 / ヘテロ接合性消失(LOH) / 遺伝子不安定性(MI) |
Research Abstract |
他領域の悪性腫瘍では、第21番染色体のLOHに関して多くの報告がなされているのにも拘わらす、口腔癌に関する報告は現在のところ全く行われていない。従って、本研究で口腔癌における同染色体上の未知癌抑制遺伝子の局在を明らかにすれば、癌抑制遺伝子単離のための有力なデータが得られる。本研究では、口腔扁平上皮癌(n=52)において、ヒト第21番染色体長腕(21q)上のヘテロ接合性消失(Loss of heterozygosity : LOH)の状況と、最近21q11.2〜21.1で同定された新規癌抑制遺伝子ANA(Abundant in Neuroepithelium area)のmRNAの発現レベルに対してRT-PCR法を応用して検索した。 その結果、(1)50症例中29症例(56.8%)に第21番染色体長腕上のANA遺伝子近傍において少なくとも一つの領域のLOHを認めた、(2)染色体座位21q11.1(D21S369領域、D21S236領域)において、おのおのD21S369(30%)、D21S236(31.2%)の共通欠失領域と思われる高頻度LOHが認められた。これらはのANA遺伝子に対して、セントロメア側領域に位置していた、(3)ANA遺伝子に対してテロメア側領域に位置する染色体座位21q21(D21S1256領域)のLOHは14%と低率であった、(4)PCR-SSCP法およびdirect sequencing法により、exon2およびexon5にpolymorphismがみられた、(5)検索した52症例中一例の腫瘍DNAにcodon25においてGAG→GCGの点突然変異がみられ、これに伴いアミノ酸がglutamic acidからalanineに置換していた。さらに、ANA遺伝子座位に対するmicrosatellite markerとして用いたD21S1433領域において、LOHも検出されこの症例においてはANA遺伝子の2hit変異と思われる異常が同定された。よって、21q上のANA遺伝子領域近傍には少なくとも2種類の未知癌抑制遺伝子が存在することが判明した。また、早期癌よりも進行癌でANA遺伝子機能の低下・喪失が臨床指標と比較することで認められた。本遺伝子が口腔扁平上皮癌の発生過程に深く関与している可能性が強く示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takahiko Shibahara: "Frequent allelic loss/imbalance on the long arm of chromosome 21 in oral cancer : evidence for three discrete tumor suppressor gene loci"Oncology Reports. 6. 1223-1227 (1999)
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[Publications] Takahiko Shibahara: "Analysis of the ANA gene as a candidate for the chromosome 21q oral cancer susceptibility locus"Br J Cancer. 84. 754-759 (2000)