1999 Fiscal Year Annual Research Report
扁平上皮癌に対する抗血管新生分子アンジオスタチン遺伝子治療の基礎的研究
Project/Area Number |
11672023
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
松本 剛一 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60199867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 量哉 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80308311)
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Keywords | (1)アンジオスタチン / (2)扁平上皮癌 / (3)VEGF / (4)VEGFR-2 / (5)血管新生 |
Research Abstract |
マウス扁平上皮癌細胞であるNRS-1,SCC-VII細胞にマウスアンジオスタチンcDNAを遺伝子導入した。遺伝子導入されたtransfectant はparentと比べin vitro での細胞増殖能に変化がみられないことから、マウスアンジオスタチンは腫瘍細胞に対する直接的な障害作用を持たない。in vivoでのマウスアンジオスタチンの影響を調べるために、transfectantをsyngeinicなC3H/Heマウス背部皮下に移植し、腫瘍増殖を観察したところ、transfectantをparentと比べ有為に腫瘍増殖が抑制された。また組織学的解析から、transfectantの腫瘍組織内の微小血管数はparentのそれと比べ有為に減少していた。さらにtransfectantの腫瘍組織内にapoptosisを起こした腫瘍細胞の割合がparentと比べ有為に増加していた。腫瘍発育のためには積極的に腫瘍血管が形成されていかねばならないと考えられている。腫瘍血管の形成には腫瘍細胞あるいは血管内皮細胞が分泌する様々な増殖因子の関与が考えられている。その中のvascular endotherial growth factor(VEGF)の発現について解析したところ、transfectantはparentと同様に血管内皮細胞においてVEGFを発現しており、またそのreceptorであるVEGFR-2の発現についても特に変化が認められなかった。以上、マウスアンジオスタチンは腫瘍細胞あるいは血管内皮細胞が発現するVEGFおよびVEGFR-2には影響を及ぼしていないと考えられた。
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