2000 Fiscal Year Annual Research Report
4NQO誘発ラット舌癌の発生過程におけるテロメラーゼ活性の発現の解析
Project/Area Number |
11672027
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
植野 茂 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20151813)
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Keywords | テロメラーゼ / 化学発癌 / 4NQO / stretch PCR法 |
Research Abstract |
[実験目的]発癌過程におけるテロメラーゼ活性とp53およびアポトーシスの関係を、in vivoで組織学的な変化と対比しながら観察することを目的に、本研究を行った。 [方法]実験には5週齢SD系オスラットを用いた。50ppmの4NQOを投与し4、8、12、16、20、24週後にそれぞれの舌を採取した。各群についてTunnel法によるアポトーシス細胞、免疫組織染色によるp53陽性細胞を算定した。さらにStretch PCR法によりテロメラーゼ活性を検出した。すなわち、各組織から細胞抽出液を作製し、基質プライマーにテロメア繰り返し配列を付加させる伸長反応を行った後、r-taqを用いてPCR反応を行い、ゲル上に電気泳動してラダーパターンを観察した。 [結果および結論]病理組織学的には8週で舌粘膜上皮に増殖性変化、12週で異形成変化が出現し、16週以降に発癌が始まった。p53の発現は4NQO投与後、経時的に増加していた。アポトーシスも同様に増加していったが、多くのラットで発癌が観察された16週以降には、p53が増加するにもかかわらずアポトーシスは減少した。テロメラーゼ活性は4週で明らかに認められた。以上の結果から、テロメラーゼ活性の増加はp53タンパクの発現とほぼ同時に起こり、組織学的な変化に先行することが明らかになった。化学発癌過程の初期において、発癌刺激によってアポトーシスが促進されると同時に、細胞寿命が延長されるという相反する作用が働くと考えられた。
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