口臭主訴患者のセルフヘルプグループ療法の開発

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11672034
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 岩倉 政城 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (90005067)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 針生 ひろみ 東北大学, 歯学部・附属病院, 医員 ; 押切 邦中 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80261519) ; 渡辺 聡子 東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60250792)
• Keywords: 口臭 / 集団療法 / 自臭症 / 口臭質問票 / 対人恐怖

Research Abstract

東北大学歯学部附属病院予防歯科口臭外来受診患者の7割が機器分析による繰り返し検査で口気悪臭を認めないが、それでも口臭があるとの確信を揺るがずに持つ患者がある。この自己臭症を疑われる患者群に対する治療には口臭軽減治療のみならずカウンセリング、行動変容等の心理学的アプローチを行ってきた。しかしそれでも奏功しない例があることから、この対象について同じ悩みを持つ患者を集めて行う集団療法を実施した。口臭に対する基礎学習、口臭歴の相互披瀝のプログラムに加えて、本年度は口臭こだわりから治癒した患者による治癒体験の披瀝、患者相互の特殊交流を追加した複数のセルフヘルプカリキュラムを実施した。治療効果の判定は複数の心理質問紙と、口臭および対人恐怖に関するスケール型質問票を作成して行った。その結果、口臭に関する項目の「口臭不治」、「自分だけに強い口臭」が統計学的有意に減少した。また、本年度新たに対人関係不安スケールのうち「他者による自分への評価についての拘泥」に有意減少を認めた。集団療法がこうした患者群に対して口臭への過剰な拘泥の減少効果以外に対人恐怖の面でも治癒的な効果があることを解明できた。来年度は、口臭および対人恐怖に関するスケール型質問票の項目を精選し、患者のどの側面が集団療法を通じて改善されるかを解明する予定である。これらを通して口臭集団療法の定式化をはかりたい。

Research Products

• [Publications] 岩倉政城: "口臭の臨床とその心理学的アプローチ"東北大学歯学雑誌. 19・1. 20-32 (2000)
• [Publications] 岩倉政城: "口臭こだわりが持続する患者へのグループ療法の試み"口腔衛生学会雑誌. 50・4. 552-553 (2000)
• [Publications] 岩倉政城: "口臭こだわりが強い患者への集団療法の試み"東北大学歯学雑誌. 18・1. 98-99 (1999)