1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672038
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
加藤 純二 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80177451)
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Keywords | 半導体レーザー / 歯髄温存療法 / dentin bridge |
Research Abstract |
半導体レーザーを歯髄温存療法に応用するために以下の実験をおこなった。材料としてラット(体重約100g)の歯根未完成な上顎第一臼歯を用いた。断髄の予備実験としてまず、#1/2電気用ラウンドバーを用いて上顎第一臼歯の咬合面近心を穿孔し、冠部歯髄を除去した後、半導体レーザー(長田電気工業株式会社製 オサダライトサージ3000)を用いて近心根根管口部付近にて歯髄を切断した。また、直接覆髄の予備実験として、上顎第一臼歯近心隣接面から点状露髄させ、半導体レーザーを用いて歯髄に照射した。その際、照射条件によってどの程度の歯髄が蒸散・熱凝固できるか調べ、止血の状態、残存歯髄、歯周組織に与える影響を病理組織学的に検索した。。その結果、蒸散・凝固力が高い条件では、歯髄に与える熱影響が大きく、幅広い変性層がみられた。出力が低い条件では、凝固止血能は劣るものの、歯髄への熱影響はみられず、また、変性層も認められなかった。そこで、低出力の条件で、断髄、覆髄に半導体レーザーを応用することにした。まず、ラット臼歯歯髄に断髄法を行った。半導体レーザーの照射条件は500mW,5秒間である。この照射条件では瞬時に歯髄からの止血は見られないが(凝固止血)、すばやい血餅の形成がみられる。レーザー照射後、水酸化カルシウムを貼付し、グラスアイオノマーセメントで仮封した。また、レーザーを照射しない通常の水酸化カルシウム断髄をコントロールにした。術後1日目から2週目まで経時的に観察し、実験群と対照群を比較しながら、病理組織学的評価を行った。その結果、レーザー照射群の方が歯髄の創傷治癒がはやく、多量のdentin bridgeの形成が認められた。
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