2000 Fiscal Year Annual Research Report
ニフェジピンによる増殖性歯肉炎の小児における発症機構に関する研究
Project/Area Number |
11672040
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
富沢 美恵子 新潟大学, 歯学部, 助教授 (50107786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邊 義浩 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (30251838)
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Keywords | ニフェジピン / 増殖性歯肉炎 / 小児 / 画像解析 / カルシウム拮抗薬 / 発症 / シクロスポリン / アムロジピン |
Research Abstract |
昨年度診査を行った症例(ネフローゼ症候群6名うち1名は腎移植後、慢性腎不全2名)について引き続き、増殖性歯肉炎の発症機構を明らかにするため、定期的に萌出歯種、プロービングデプス、プラークスコアについて診査し、歯肉の状態を記録するため、印象採得・研究用模型の作製、ニコンメデイカルニッコールに120mmレンズを装着したフジデジタルカードカメラDS-560にて上下顎歯列を撮影し、画像データとして保存した。服用薬剤はニフェジピン、歯肉増殖を起こすCa拮抗薬アムロジピン、免疫抑制剤シクロスポリンも対象とした。増殖性歯肉炎は平成11年の診査で8名中5名に認められたが、うち1例では下顎側切歯が萌出中であり、今回永久歯の萌出と歯肉増殖について検討した。初回診査で増殖性歯肉炎のみられなかった症例では、今回の診査においても発症していなかった。初回診査後、当科にて歯肉切除術を行った症例では、増殖性歯肉炎の再発はみられなかった。 資料の分析は画像から歯肉の変化を観察すると共に、グラフィックソフトAdobe Photoshop5.0を用いて一定面積範囲内の歯冠部の占める面積をヒストグラムを用いて算出し、面積の増減によって歯肉の増殖程度を判定した。面積データの推移では、減少傾向が1例で認められ歯肉増殖の増悪傾向を示していた。しかし、面積変化に有意な差がない症例があり、さらにコンピューター上での画像の重ね合わせにより、歯間乳頭部では突出、歯冠中央部では退縮し、歯肉は形態変化することが明らかになった。歯の交換中の症例は乳歯列期には歯肉増殖がみられず、永久歯の萌出に伴って増殖が始まり、歯肉の形態変化も観察された。歯肉増殖症を発症していない3症例では、薬剤投与開始が15〜18歳と3例とも投与開始が永久歯への交換が終了した時期であった。永久歯の萌出に伴って増殖性歯肉炎を発症した症例があることから、歯の萌出は増殖性歯肉炎の発症に何らかの影響を与えるのではないかと考えられた。
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Research Products
(1 results)