2000 Fiscal Year Annual Research Report
自家移植歯の治癒期と移動時における歯根膜上皮系細胞と分泌物質の動態
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11672041
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高田 真仁 新潟大学, 歯学部, 助手 (10251828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 晃治 新潟大学, 歯学部, 教授 (90013979)
森田 修一 新潟大学, 歯学部, 助教授 (60157899)
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Keywords | セメント質形成 / エナメル上皮 / エナメル基質 / アポトーシス |
Research Abstract |
現在までに、歯牙のセメント質形成はエナメル上皮の連続性消失と歯小嚢間葉細胞へのエナメル基質の露出に引き続いて生じることが明らかにされている。エナメル上皮の連続性消失は、変性あるいは萎縮と考えられてきたが、これらの変化は歯根形成時のヘルトビッヒ上皮鞘において生じる変化と類似している。しかし歯冠および歯根セメント質形成部位における歯原性上皮細胞の連続性消失過程に関する研究はほとんどない。今回は、モルモット臼歯セメント質形成に対するエナメル上皮細胞の関与を明らかにする目的で、セメント質形成とエナメル基質との関係および、エナメル上皮細胞のアポトーシスの局在を観察した。材料と方法:体重300-700kgのモルモット3匹の上下顎骨を摘出し、4%PFA固定、10%EDTA脱灰した後、パラフィン切片を作製した。そしてH&E染色、免疫組織化学染色(抗ケラチン抗体、抗アメロジェニン抗体)、アポトーシス細胞検出、アメロジェニンm-RNA発現細胞の検出を行った。結果と考察:モルモット臼歯は歯冠セメント質がエナメル質上に形成された歯冠類似部分と、無細胞セメント質が象牙質上に形成される歯根類似部分を有していた。歯冠類似部分のセメント質形成はエナメル芽細胞の連続性消失後に生じるエナメル基質の露出に関連し、歯根類似部分のセメント質は、ヘルトビッヒ上皮鞘の連続性消失後に生じるエナメル基質の露出に関連ていた。また、エナメル芽細胞とヘルトビッヒ上皮鞘の連続性消失にはアポトーシスが重要な役割を果たしていると思われた。また、エナメル質に囲まれた溝の中に形成された軟骨様セメント質内に、アメロジェニンに対する反応が観察され、さらに、溝に面した細胞の一部にアメロジェニンのmRNAの発現が認められたため、この細胞が分泌している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)