1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672050
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡田 貢 広島大学, 歯学部, 助手 (10233347)
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Keywords | PCR / 前思春期性歯周炎 / 歯周病原性菌 |
Research Abstract |
PCR法を用いて前思春期性歯周炎患児の歯周病原性菌の同定を目的として検討した。歯ブラシ法を用いることによって小児に歯科的不安を与えることなくサンプリングすることが可能であった。小児の口腔から回収した歯垢は,全て細菌が有する16S ribosomal DNAを含んでいた。 現在までに同定が終了した4菌種,Actinobacillus actinomycetemcomitans(Aa),Porphyromonas gingivalis(Pg),Prevotella intermedia(Pi),P.nigrescens(Pn)の検出率はそれぞれ7.7%,9.6%,6.9%,70.7%であった。これらを健康群,歯肉炎群および前歯周炎群に分けて4菌種の検出率を検討したところAa,Pg,Piの検出率は,健康群よりも歯肉炎群および前歯周炎群の方が高かった。一方,Pnは健康群あるいは疾患群に関わらず高い検出率を示し,また小児の年齢が上がるにしたがって検出率は増加した。 以上のことから,従来報告されているようにAa,Pg,Piは,前思春期性歯周炎の患児から比較的高率に検出された。しかし,健康群からもこれらの菌種が検出されており,他の菌種の検出も検討する必要がある。Pnは歯周病関連菌ではあるが,病原性の観点から必ずしも前思春期性歯周炎に多く検出される菌種ではないことが明らかとなった。現在,Bacteroides forsythus,Treponema denticola,Campylobacter rectus,Capnocytophaga spp.のPCR法による検出も継続中である。また,これらの菌種について同家族内でも検討する予定である。
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Research Products
(1 results)