1999 Fiscal Year Annual Research Report
齲触下乳歯象牙質の微小硬度と弾性率に関する研究―健全乳歯象牙質との比較―
Project/Area Number |
11672053
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
細矢 由美子 長崎大学, 歯学部, 助教授 (80112803)
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Keywords | 微小硬度 / 弾性率 / 齲蝕下象牙質 / 健全象牙質 / 乳歯 |
Research Abstract |
1.切削・研磨象牙質面の形態観察 アルミナ鏡面研磨,エメリーペーパー研磨,エアータービン装着ダイヤモンドバー切削およびair abrasive後の象牙質面は,各々全く異なった形態を示した。 2.乳歯象牙質に対するヌーブ硬さ 鏡面研磨後の齲蝕乳歯と健全乳歯象牙質のヌーブ硬さを測定した。多くの乳歯が交換期の歯髄側からの内部吸収により測定値に影響を受けていた。そこで,内部吸収の影響が少なかった齲蝕症第2度の乳犬歯と乳中切歯10試料(齲触側:13,健全側:7)のヌーブ硬さを測定し,統計処理を行った。その結果,健全側では,象牙質外層から内層へと硬さが有意に減少した。齲蝕側の齲窩直下と齲蝕側および健全側の歯髄腔付近の硬さは,他の部位より有意に低かった。齲蝕側と健全側を比較すると,すべての部位について,齲蝕側の硬さが有意に低く,齲窩より離れている部位でも齲蝕による影響を受けていた。透明層が齲蝕側13側中の12側に観察された。12側中の9側において,透明象牙質の硬さは健全象牙質より低かった。 3.齲蝕除去法が齲蝕下象牙質のヌープ硬さに与える影響 齲蝕症第2度の乳犬歯5歯を2分割し,同一歯の軟化象牙質をchemo-mechanical齲蝕除去剤のCarisolv^<TM>とラウンドバーで除去後の鏡面研磨面について,硬さを窩底から300μm下方まで測定した。結果として,両者間に有意差はみられなかった。 4.ヌープ硬さとCa/P比 レジンを包埋した無蒸着の試料について点分析と面分析による定量分析を行った。試料によってはCa/P比が得られなかったため,無包埋ならびにブラックコンパウンド包埋後にカーボン蒸着を行い,再度測定の予定である。
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Research Products
(1 results)