2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672076
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
今村 基尊 藤田保健衛生大学, 医学部・歯科口腔外科, 講師 (00142563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 久美子 藤田保健衛生大学, 医学部・歯科口腔外科, 助手 (00329707)
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Keywords | 歯の萌出 / 第1大臼歯 / 中切歯 |
Research Abstract |
加生歯で最初に萌出する第1大臼歯と第2生歯で最初に萌出する中切歯の萌出順序が逆転したことを確認し,下顎中切歯先に萌出した症例の割合が50%を越えたのは何時かを明らかにするため観察を行った.同側同顎内に第一大臼歯又は中切歯のどちらかのみが萌出した症例,男児上顎466例,下顎451例,女児上顎489例,下顎475例,計1881例を観察し,中切歯が第1大臼歯より先に萌出したI型と,第1大臼歯が中切歯より先に萌出したM型に分類した. その結果,男児の上顎では,男女ともほとんどがM型であった.男児の下顎ではI型が57.2%でありI型の方が多かった.女児の下顎ではI型が48.2%であり若干M型が多かった.このデータを症例の生年別に分けると,上顎においては男児も女児も1960年代に生まれた小児から現在まで第1大臼歯が中切歯より先に萌出するM型が多く認められた.下顎においては,男児で1960年代生まれた症例ではI型が30-40%であったが,1970年代以降に生まれた症例ではI型が50-80%であり過半数を超えていた.女児で1970年代前半までに生まれた症例ではI型が30-45%であったが,1970年代後半以降に生まれた症例では50-60%であり,過半数を超えていた.以上より日本人小児の下顎永久歯の萌出順序は,1970年代に生まれた小児で第1大臼歯が先に萌出するM型から中切歯が先に萌出するI型が多くなり,萌出順序が逆転したと考えられた. 日本における過去の歯の萌出時期の文献を比較検討し,この現象は,歯堤にそった近心から遠心への歯の萌出間隔にはあまり変化が認められなかったが,第1生歯から第2生歯への垂直的な歯の交換が早くなり起きていると考えられた. さらに海外の文献を比較検討し,日本人の食生活を含めた生活習慣の欧米化が,下顎第1大臼歯より先に下顎中切歯が萌出する要因になったと考えられた.
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