2001 Fiscal Year Annual Research Report
PCR法を用いた小児期からの歯周病原性細菌の口腔内定着に関する研究
Project/Area Number |
11672080
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
梅田 誠 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90193937)
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Keywords | Bacteroides forsythus / 伝播 / タイピング / AP-PCR法 |
Research Abstract |
平成11年度からの研究によって、小児およびその親の口腔内から、7種類の歯周病原性細菌をPCR法によって検出し、比較したところ、Bacteriodes forsythus, Prevotella intermedia, Prevotella nigrescensの3菌種について、それぞれの菌を親が持っている子供の方が、親が持っていない子供より、検出頻度が有意に高かったことから、これらの菌の親から子への伝播の可能性が疑われた。特に、混合歯列期の女子において3B. forsythusの菌の検出率が高く、80%以上の女子から検出され、男子と比べ、有意に高い検出率であった。混合歯列期において乳歯から永久歯に生え変わる時期であり、一時的に深いポケットができ、B. forsythusの存在場所ができると考えられ、これと性ホルモン等の影響から、B. forsythusが定着しやすくなる可能性が考えられるが、このことから、特に、B. forsythusに関して家族内の伝播についてタイピングを行って調べた。平成13年度においては、平成12年度までに確立したAP-PCR法によるB. forsythusのタイピングを64名の歯周疾患患者から分離培養した138株について行ったが、11種にタイプ分けすることができた。そこで13名の夫婦の口腔からB. forsythusを分離培養したところ、3組において夫婦の両方からB. forsythusを分離培養することができたが、夫婦はすべて同じ、genotypeであった。このことから特にB. forsythusにおいて家族内伝播がおきていることが示され、混合歯列期の女子においては、親から子への伝播の危険性が高いと思われた。今後、定量PCR法を用いた歯周病原性細菌の量的検討についても研究を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Takeuchi Yasuo: "Treponema socranskii, Treponema denticola, and Porphyromonas gingivalis are associated with severity of periodontal tissue destruction"J Periodontol. 72. 1854-1363 (2001)