1999 Fiscal Year Annual Research Report
歯肉溝滲出液中の好中球機能の歯周病の診断マーカーとしての応用に関する研究
Project/Area Number |
11672090
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
沼部 幸博 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (90198557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 洋一 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (80257021)
大崎 忠夫 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (40247044)
川村 浩樹 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (60256998)
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Keywords | 歯周組織 / 歯周病 / 歯肉溝滲出液 / 好中球 / アポトーシス / 唾液 / Cytoenzymology / Flow cytometry |
Research Abstract |
近年、試薬として各血液細胞の構成成分に対する様々なマーカーが提供されるようになり、計量細胞学的な解析機器の進歩とともに、微細な細胞の変化が探知可能となってきた。本年度は、歯周組織中の末梢血管より歯肉上皮を通過し、場合によっては歯周病の病原因子と出会いながら歯肉溝、そして口腔内へ移動してくる好中球(歯肉溝滲出液中の好中球)などを採取、その機能の変化から局所の病態に関する各種の情報を比較的簡便に引き出す手技の確立と、実際に細胞に生じる様々な現象の検索を目的とした。 まず、歯周組織が健康な被験者で、末梢血、唾液、歯肉溝滲出液中好中球の機能の検索を行い、これらの結果を、対照値すなわち正常値として把握するとともに、様々な刺激を加えた後の状態と比較検討した。 すなわち、全身疾患を伴わず歯周病を有さない被験者より末梢血、歯肉溝滲出液、唾液中より好中球を分離採取し、炎症のメディエーター(LPS、TNFαなど)やタバコの煙の中に含まれる、ニコチンやコチニンなどによる刺激後に、細胞内酵素活性をCytoenzymologyの技術により個々の細胞レベルで検索した。 また、各細胞のアポトーシスの発現状態をAnnexin V FITC Kitで、各種表面レセプターの変化をFlow cytometryにて検索した。 その結果、各炎症のメディエーター刺激に対する各細胞集団の反応に特有の傾向がみられ、特に歯肉溝滲出液中の好中球は、歯周組織中の様々な情報を移動中に有し、他の部位から分離された好中球と異なる応答を示すことが示唆された。
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[Publications] Y. Numabe: "Apoptosis Induction in Crevicular and Salivary PMNS."J. Dent. Res.. 79・Special Issue. 231 (2000)
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[Publications] 沼部幸博: "歯肉溝滲出液中の好中球内のエラスターゼ活性について"日本歯科保存学雑誌. 43・1. 印刷中 (2000)
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[Publications] 沼部幸博: "喫煙の多形核白血球機能に与える影響について"歯科薬物療法. 18・2. 47-53 (1999)