1999 Fiscal Year Annual Research Report
HeLa細胞感染系を用いた天然抗トリパノソーマ薬の探索
Project/Area Number |
11672101
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木内 文之 京都大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (60161402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 淳子 順天堂大学, 医学部, 講師 (20211964)
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Keywords | トリパノソーマ / Trypanosoma cruzi / 天然薬物 / natural medicine / ローレル / Laurus nobilis / monoterpene / sesquiterpene lactone |
Research Abstract |
1.天然薬物の抗トリパノソーマスクリーニング ウズベキスタンおよびベトナムで用いられる天然薬物の抽出物40検体について、HeLa細胞感染系およびin vitro 培養系を用いたTrypanosoma cruziに対する抗トリパノソーマ活性スクリーニングを行い,Hypericum perforathum,Sideloxylon cambodiana,Valeria hardwickiiに強い活性を見出した。 2.活性成分の単離・構造決定 予備スクリーニングで強い抗トリパノソーマ活性を示したトルコ産ローレルについては,シリカゲルカラムクロマトグラフィー等にて活性成分の分離を行い,活性成分として3種の化合物を単離し,その内2種の構造を各種スペクトルデータからセスキテルペンラクトンであるdehydrocostus lactone(1)とzaluzanin D(2)と決定した{第49回日本薬学会近畿支部大会(1999年10月,京都)にて発表}。これらの化合物のepimastigoteに対するin vitroでの最小致死濃度(MLC)は,1が6.3μM,2が2.5μMであった。しかし,これらの化合物はHeLa細胞に対しても細胞毒性を示し,T.cruziのamastigoteに対する毒性との間の安全域は10倍程度であった。 一方,第3の化合物は,p-menthan骨格を持つ新規モノテルペンであり,各種スペクトルデータおよび合成品との比較からその構造をp-menthan-2-en-1,8-diol(3)と決定した。本化合物のepimastigoteに対するin vitoroでのMLCは3.0μMであった{日本薬学会第120年会(2000年3月,岐阜)にて発表予定}。
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