2000 Fiscal Year Annual Research Report
HeLa細胞感染系を用いた天然抗トリパノソーマ薬の探索
Project/Area Number |
11672101
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木内 文之 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60161402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 孝 順天堂大学, 医学部, 教授 (20053283)
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Keywords | トリパノソーマ / Trypanosoma cruzi / Vietnam / natural medicine / Alpinia galanga / 1′-acetoxychavicol acetate / Desmos dasymachalus / dasymacharine-N-oxide |
Research Abstract |
1.天然薬物の抗トリパノソーマ活性スクリーニング 昨年度に引き続き,ベトナムで用いられる天然薬物100種について,アセトン,メタノール及び水エキスを調製して抗トリパノソーマ活性スクリーニングを行い,Alpinia galanga,Combretum quadrangulae,Croton tonkinensis,Pa-ris polyphylla,Vitex trifolia等に強い活性を見い出した. 2.活性成分の単離・構造決定 上記のスクリーニングで特に強い活性を示したAlpinia galangaについて,抗トリパノソーマ活性を指標とした成分分離を行い,活性成分として1'-acetoxychavicol acetate及び類似のフェニルプロパノイド7種を単離した.これらフェニルプロパノイドのinvitroでの活性の比較から,側鎖の二重結合の反応性が抗トリパノソーマ活性に重要であることが示唆された.また,マレーシアのサラワクで伝統的に赤痢等に用いられている植物であるDesmosdasymachalusの根の抽出物に抗トリパノソーマ活性を見い出し,塩基性画分から活性成分としてdasymachaline(1)及びそのN-オキシド(2)等を単離した.N-オキシド2の最小致死濃度は元のアルカロイド1の10分の1程度であった.これまで数種のアルカロイドの抗トリパノソーマ活性が報告されているが,アルカロイドN-オキシドの抗トリパノソーマ活性は今回初めて見い出されたものであり,今回の発見が新たな抗トリパノソーマ活性物質群を提供する一助となるものと期待される.
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