2000 Fiscal Year Annual Research Report
ルイス酸を活用する新しい高立体選択的HWE反応の開発研究
Project/Area Number |
11672104
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐野 茂樹 徳島大学, 薬学部, 助教授 (20226038)
|
Keywords | ウイッティヒ反応 / HWE反応 / ルイス酸 / フッ素 / 不斉合成 / 軸性キラリティー / 中心性キラリティー / α,β-不飽和エステル |
Research Abstract |
安価で入手容易な不斉源であるイソマンニドの各種誘導体を不斉補助基とするキラルな2-フルオロ-2-ジエチルホスホノ酢酸エステルを合成し、n-ブチルリチウムあるいはイソプロピルマグネシウムブロミド条件下に、プロキラルなケトンとの不斉HWE反応を実施した。プロキラルなケトンとしては、4-tert-ブチルシクロヘキサノンに加え4-フェニルシクロヘキサノンや2-置換-1,3-ジオキサン-5-オン誘導体についても検討を加えた。その結果、いずれのプロキラルケトンにおいても、含フッ素軸性キラリテイー化合物がジアステレオ選択的に生成した。2-置換-1,3-ジオキサン-5-オン誘導体より得られた軸性キラリティー化合物は、不斉転移反応による中心性キラリティー化合物への変換が可能であることから、本反応は不斉HWE反応の新たな方向を示すものと言える。 さらに、不斉配位子としてキラルジアミンを用い、スズ(II)トリフラート-N-エチルピペリジン条件下にアキラルな2-フルオロ-2-ジエチルホスホノ酢酸エステルとプロキラルなケトンとの不斉HWE反応を実施した。プロキラルなケトンとしては、4-tert-ブチルシクロヘキサノンに加え4-フェニルシクロヘキサノンや2-置換-1,3-ジオキサン-5-オン誘導体についても検討を加えた。その結果、いずれのプロキラルケトンにおいても、良好なエナンチオ選択性(〜80%ee)で反応が進行した。
|