1999 Fiscal Year Annual Research Report
GCおよびAT選択的な新規リガンドを基本とするDNA配列認識分子の創製
Project/Area Number |
11672105
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 茂貴 九州大学, 薬学研究科, 助教授 (10170672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永次 史 九州大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90208025)
鳥越 秀峰 理化学研究所, ジーンバンク室, 研究員 (80227678)
大石 宏文 大阪薬科大学, 情報科学解析センター, 助手 (00211095)
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Keywords | 配列選択性 / DNA配列認識 / 新規リガンド / ビステトラヒドロフラン / ビスフラン / ビスピロール / DNA結合 |
Research Abstract |
背景:DNA配列を認識する分子は、新しい医薬品の素材となるものと期待されている。低分子のDNA結合分子は、認識は限定された領域に限られるものの、生体内での利用効率が良く、医薬品への展開の可能性が高いため、有効な結合分子の開発が行われている。我々はすでにDNA結合分子として水溶性のモデル化合物(2および3)を新たに分子設計し、ビステトラヒドロフラン化合物によるGC豊富配列の選択的認識、およびビスフラン化合物によるAT豊富配列の選択的な認識を実現した。 目的:本研究は、これらの研究結果を基に、新しいDNA配列認識分子の創製を目的として計画した。平成11年度は合成化学的に種々の構造の化合物を合成し、研究分担者の協力を得て、計算化学的手法および物理化学的手法によりDNA結合の詳細について評価し、新しいDNA配列認識分子の創製を目指す。 本年度の成果:ビステトラヒドロフラン化合物のアルキル基の長さの異なるものを合成し、2本鎖DNAとの結合を測定した。その結果、アルキル鎖長と結合定数は比例関係があることが明らかになり、DNAとリガンドとの相互作用に疎水結合が重要であることが示唆された。また、アルキル鎖の末端に水酸基あるいはアミノ基を導入したものでは、DNA親和性が大きく減じたことから、アルキル鎖は末端部分までDNAとの相互作用に重要であることが示された。ITC(isothermal titration calorimetry,定温滴定カロリメトリー)による測定では、錯体形成は12merDNA2本鎖:リガンド=1:1の化学量論で起こっており、その時に結合定数はおよそKs=1x108 M-1であり、非常に強い結合であることが示された。現在、ビスフラン骨格中の酸素原子を窒素に変換したビスピロール化合物の合成について検討中である。
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[Publications] Alam,Md.Rowshon;Maeda,Minoru;Sasaki,Shigeki: "DNA-Binding Peptides Searched from the Solid-Phase Combinatorial Library with the Use of the Magnetic Beads Attaching the Target Duplex"Bioorg&Med.Chem.. 8. 1-12 (2000)
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[Publications] Nagatsugi,F.;Kawasaki,T.;Usui,D.;Maeda,M.,Sasaki,S.: "Highly Efficient and Selective Cross-Linking to Cytidine Based on the New Strategy for Auto-Activation within"J.Amer.Chem.Soc.. 121. 6753-6754 (1999)
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[Publications] Matsuura,N.;Yashiki,Y.;Nakashima,S.;Maeda,M.;Sasaki,Shigeki: "Shortcut Stereoselective Synthesis of 1-b-Alkyl-2-Deoxyribose Derivatives via Witting-Horner-Emons Reaction"Heterocycles. 51(5). 975-978 (1999)
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[Publications] Shibata,T.;Torigoe,H.;Shibata,Y.;Maeda,M.;Sasaki,Shigeki: "Novel DNA-Binding Ligands with Sequence Selectivity Based on Hydrophobic Structure"Nucleic Acids,Symp.Ser.,. 42. 251-252 (1999)
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[Publications] Alam,Md.Rowshon;Maeda,Minoru;Sasaki,Shigeki: "DNA Binding Affinity of Pentapeptides Selected from Combinatorial Library"Nucleic Acids,Symp.Ser.,. 42. 173-174 (1999)
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[Publications] Sasaki,Shigeki: "Active Oligonucleotides Incorporating Alkylating Agent as Potential Sequence-and Base Selective Modifier of Gene"Eur.J.Phar.Sci.. (in press).
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[Publications] 佐々木茂貴: "薬学におけるラジオアイソトープ・放射線、第5章標識化合物の合成"本間義夫、前田稔編集:広川書店. 14 (1999)