2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672107
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
比嘉 辰雄 琉球大学, 理学部, 教授 (10101461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 淳一 琉球大学, 理学部, 助教授 (20163529)
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Keywords | マラリア薬 / 海洋天然物 / マンザミン |
Research Abstract |
マラリアは、世界人口のおよそ半数が感染の危険にさらされ、年間3億人以上が罹患する最も重要な感染症の1つである。マラリアの治療には、クロロキン等の投薬が現在最も効果的であるが、耐性原虫の出現等で、新しい薬剤の開発が求められている。本研究では、海洋生物由来の物質からの抗マラリア薬の開発を目指して、100種以上の海洋天然物について、マウスのマラリア原虫Plasmodium bergheiに対する抗マラリア活性スクリーニングを行った。その結果、数種の海綿から得られるアルカロイド、マンザミンAが最も強い作用を示した。マラリアを感染させて2日目に、100μM/kgのマンザミンAを一度だけ投与されたマウスの40%は60日後も生存していて、完全に治癒したことを示していた。コントロールは4日目には全て死亡している。マンザミンAの効果は、同時にテストされたアルテミシニンやクロロキンをはるかに凌ぐものであった。そこで、活性・構造相関を調べるため、海綿から得られるマンザミンAの類縁体や、マンザミンAに種々の反応を行って得られる誘導体について活性試験が行われた。これらの化合物のうち、8-ヒドロキシマンザミンAはある程度の活性を示したが、マンザミンFには活性が全く見られなかった。また、マンザミンAの数種の誘導体についても活性は見られなかった。これらの結果から、マンザミンAの複雑な構造体そのものが活性に関与していることが示唆された。今後はマンザミンAの作用機序の解明と、より単純な構造をもち、化学合成が容易な活性海洋天然物の探索を目指す必要がある。
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[Publications] K.K.H.Ang: "In vivo antimalarial activity of the betacarboline alkaloid manzamine A"Antimicrob.Agents Chemother.. 44・6. 1645-1649 (2000)
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[Publications] M.Kuniyoshi: "3-Bromobarekoxide, an unusual diterpene from Luarencia luzonensis"Chem.Commun.. 1155-1156 (2000)
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[Publications] M.C.Roy: "New cyclic peptides from the Indonesian sponqe Theonella swinhoei"Tetrahedron. 56・46. 9079-9092 (2000)
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[Publications] M.Musman: "New sesquiterpene carbonimidic dichlorides and related compounds from the sponge"J.Nat.Prod.. 64・1. 111-113 (2001)