1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672112
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
池田 慎一 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (90254309)
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Keywords | タンデム反応 / エナンチス選択的 / 単座オキサゾリン配位子 |
Research Abstract |
報告者は,遷移金属触媒による一段階多成分連結(タンデム)反応についての自身の一連の研究成果を下にこの反応の不斉化すなわちエナンチオ選択的な多成分連結反応の実現をめざし検討を行った.その結果ニッケル触媒存在下におけるクロロトリメチルシランとエノンとアルキンおよびジメチル亜鉛と反応において光学活性単座オキサゾリンを配位子に用いたときにこれらの基質分子が一段階で連続的に結合し高い位置,立体選択性を保ちつつ比較的高い鏡像異性体過剰率(ee)でタンデムカップリング生成物が得られることを見出した.一方,これまでに報告されたいる触媒的不斉反応において利用されてきた光学活性ホスフィンあるいはビスオキサゾリンをこの反応の配位子として使用したところ,エナンチオ選択性の発言はほとんど見られなかった.本反応の結果は,分子間での不斉タンデム反応の新しい例を提供したばかりではく,触媒反応の配位子としてはこれまで注目されなかったシンプルなモノオキサゾリンの光学活性配位子としての利用の新たなる可能性を予感させるものとなった.
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