2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672118
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
三巻 祥浩 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (90229790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 明平 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (80266890)
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Keywords | Galtonia candicans / candicanoside A / ステロイド配糖体 / HL-60細胞 / パネルスクリーニング / 細胞毒性活性 / 抗腫瘍活性 / 抗癌剤 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,ユリ科Galtonia candicans鱗茎に含まれる細胞毒性物質を検索したところ,HL-60細胞に対して強力な細胞毒性を有する新規ステロイド配糖体(candicanoside Aと命名)が得られた.Candicanoside Aは,コレスタン骨格のC-24位からC-27位がC-22位に転位した基本骨格を有し、C-16位とC-23位、C-18位とC-23位でそれぞれ6員環と7員環のエポキシ環を形成した興味深い構造有する.Candicanoside Aは,galtonioside A(昨年度報告)と同様,38種の腫瘍細胞を用いたヒト培養腫瘍細胞パネルスクリーニングにおいて、乳がん、脳腫瘍、肺がん系の細胞に特異的な細胞増殖抑制活性を示し、そのフィンガープリントパターンは既存の抗がん剤を含めたデータベース上にあるどの化合物とも相関性を認めず、新規作用機序を有する抗がん剤のリード化合物として大いに期待できるものである.Candicanoside Aとgaltonioside Aは,共に天然からの収量が少なく,in vivoでの活性スクリーニングや活性メカニズムについて検討を進めることが困難であるため,現在,大量天然物からの抽出・単離を再度検討しているところである. また,G.candicans鱗茎には,上記2種の化合物以外にも強力な細胞毒性活性を有する化合物の存在が示唆されたため,さらに検討を進めたところ,Ornithogalum saundersiaeより単離・構造決定されている非常に強力な抗腫瘍活性コレスタン配糖体OSW-1の類縁化合物4種が単離された.それらのうち,OSW-1と同様にアグリコンのC-16位にアシル化糖を有し,さらに,アグリコンのC-3位にグルコースが結合した化合物2種は,OSW-1と同程度の強力な細胞毒性活性を示した.今後,OSW-1類縁化合物の構造活性相関を詳細に検討し,新規作用機序を有する抗癌剤の創製へと繋げていく予定である.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yoshihiro Mimaki,Minpei Kuroda, et al.: "Candicanoside A, A Novel Cytotoxic Rearranged Cholestane Glycoside from Galtonia candicans"Helv.Chim.Acta. 83・10. 2698-2704 (2000)