2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672119
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 博 東京理科大学, 薬学部, 助教授 (50096715)
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Keywords | アザシクロファン / 閉環反応 / オルトシクロファン / 薬理作用 / ライジング反応 / Irwin法 |
Research Abstract |
昨年度に続いて、ジブロモ非環状3量体[ビス(6-ブロモベラトリル)ベラトロール]に一級アミンを反応させ、アザシクロトリベラトリレン骨格の構築を検討した。種々パラジウム触媒存在下ジブロモ非環状3量体とベンジルアミンとを各種条件にて反応させたが、やはり、目的のN-アルキル-5-アザシクロトリベラトリレンの生成は見られなかった。そこで、もう一つの合成ルートである2、2'-(ジヒドロキシメチル)ジアリールアミンを閉環前駆体とするアザシクロファンの大量合成を検討した。抗リウマチ薬であるロベンザリト{2[2-(カルボキシルフェニル)アミノ]-4-クロロ安息香酸}のボラン還元により得られるジオールを、ベラトロールとトリフルオロエタノール中、硫酸触媒下反応させ目的の10-アザ-8-クロロシクロトリベンジレン化合物(1)を中程度の収率で得ることが出来、最初の本骨格構築を達成することができた。本化合物について薬理作用の検討を行った。Irwin法でマウスの行動に対する影響を観察したところ、ライジング反応が見られた。また、5種類の菌を用いて、ディスク法による抗菌活性を調べたが、活性は観察されなかった。次に、本化合物のN-メチル化を試みた。ホルマリンを用いての還元的アミネーションを試みたが、失敗に終わった。これはこの窒素原子の塩基性が極めて弱いことによるものと考えられる。そこで、DMF中、NaHを反応させた後、アルキル化することにより、N-メチル体を収率60%で得ることができた。閉環反応の際、過剰のベラトロールを用いた時には、非環状のビス(ベラトリルフェニル)アミンが生成した。これはシクロテトラベンジレン骨格構築の有用な中間物質になりうる。
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