2000 Fiscal Year Annual Research Report
Wittig転位反応を用いる生理活性物質の合成研究
Project/Area Number |
11672121
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Research Institution | Faculty of Pharmaceutical Sciences, Hoshi University |
Principal Investigator |
津吹 政可 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (90163865)
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Keywords | Wittig転位 / フルフリルエーテル / シュードプテロリド / カロライドA / フラノセンブラン / フリルカルビノール / フロチルフルフリルエーテル / 不斉転写 |
Research Abstract |
軟体サンゴPseudopterogorgiaより単離されたシュードプテラン型ジテルペンにはシュードプテロリドやカロライドAが知られている。これらはフラノセンブランが環縮小した12員環性のフラノテルベンであり、細胞毒性や抗炎症作用を示すことが報告されている。これらの合成においては2組のホモアリルアルコール部位の立体化学の制御が重要な課題となる。本研究では、環状フルフリルエーテルの分子内[2,3]Wittig転位反応によりanti-ホモアリルアルコール単位の立体選択的合成に成功した。すなわち、(5E)-5-メチル-3,16-ジオキサビシクロ[11.2.1]ヘキサデカ-1(15),5,13-トリエンをテトラヒドロフラン中ブチルリチウムと処理すると、[2,3]転位が高い選択性で進行し、anti-ホモアリルアルコールである(2R^*,3R^*)-3-イソプロピル-13-オキサビシクロ[8.2.1]トリデカ-1(12),10-ジエン-2-オール及びその3-エピ体がそれぞれ約9:1の比で得られた。今後、(2E,11E)-3,12,17-トリメチル-5,14,19-トリオキサビシクロ[14.2.1]ノナデカ-1(18),2,11,16-テトラエン-7-オンを合成し、Wittig転位によりシュードプテロリドのキラル合成を行う予定である。 フルフリルエーテル類のWittig転位反応における不斉転写の有用性を確認する目的で光学活性フルフリルエーテルのジアステレオ選択的Wittig転位を検討したところ、その不斉転写率は100%で進行することが判明した。すなわち、(2S,3Z)-及び(2S,3E)-3-ペンテン-2-イルフルフリルエーテルを転位反応に付すと、出発物質と同一の光学純度を持った(1R,2S,3E)-及び(1R,2R,3E)-1-(2-フリル)-2-メチル-3-ペンテン-1-オールが得られた。
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