2001 Fiscal Year Annual Research Report
ニトロンの付加反応を用いるNikkomcin類の合成研究
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11672122
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田村 修 金沢大学, 薬学部, 助教授 (30257141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 正徳 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (70087774)
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Keywords | nikkomycin Bz / α-アルコキシカルボニルニトロン / (5S)-5,6-dihydro-5-pheny1-2H-1,4-oxazin-2-one N-ox / 多官能性 / β-置換-α-アミノ酸 |
Research Abstract |
Nikkomycin Bzはγ-ヒドロキシ-β-置換-α-アミノ酸をN-末端アミノ酸に持ち、ヌクレオシドアミノ酸をC-末端アミノ酸として有するジペプチド型抗生物質である。これまで、このN-末端アミノ酸を合成するために、エステル交換により系内で発生させた、窒素原子上に不斉素子を有するα-アリルオキシカルボニルニトロンの分子内1,3-双極子付加反応を開発し、C-末端アミノ酸の炭素環誘導体を合成合成するために、幾何構造を(E)-型に固定したα-アルコキシカルボニルニトロンである(5S)-5,6-dihydro-5-pheny1-2H-1,4-oxazin-2-one N-oxideを開発した。本年度はこれらの反応を用いて多官能性のβ-置換-α-アミノ酸の2,3-anti体の合成を行った。すなわち、(E)-p-メトキシシンナミルアルコールと窒素上に不斉素子を有するα-アルコキシカルボニルニトロンとを触媒量の四塩化チタンおよびモレキュラーシーブ存在下で加熱すると、連続的なエステル交換、分子内環化付加反応が進行し、立体選択的に二環式の分子内環化付加体が得られた。主成績体の不斉素子を除去し、ベンジル位の水酸基の除去および芳香環の酸化開裂反応で得られるカルボン酸を一級水酸基に還元して、β-置換-α-アミノ酸の2,3-syn体を得た。一方、(E)-型に固定したα-アルコキシカルボニルニトロンである(5S)-5,6-dihydro-5-pheny1-2H-1,4-oxazin-2-one N-oxideとメチル(Z)-p-メトキシシンナマートとの反応は高立体選択的に環化付加体を加えた。この付加体を、先の2,3-syn体の合成と同様な手法により変換することにより、多官能性のβ-置換-α-アミノ酸の2,3-anti体の合成に成功した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] N.Mita, O.Tamura, H.Ishibashi, M.Sakamoto: "Nucleophilic addition reaction of 2-trimethylsioxyfuran to α-alkoxymethylnitrone bearing gulosy1 group as a chiral auxiliary:synthesis of the C-terminal amino acid component of Nikkomycin Bz"Org Lett.. 3(in press). (2002)