1999 Fiscal Year Annual Research Report
Diela-Alder反応-環開裂反応を機軸とする生理活性天然物の合成研究
Project/Area Number |
11672124
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
長岡 博人 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (30155915)
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Keywords | Zaragozic Acids / Diels-Alder反応 / 7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体 / 環開裂反応 / 合成 / 2,8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体 |
Research Abstract |
本研究はフラン誘導体のDiela-Alder反応による7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン環の形成と環開裂反応の組合せによる多環性複素環の構築を機軸とし、効果的に生理活性天然物を合成する方法を開発することを目的としている。本年度は真菌Phoma sp.(Coelomycetes)から見出されたZaragozic Acidを標的化合物とし検討を行った。この化合物は高度に酸化段階の進んだ2,8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン環(コア部)と二つの側鎖部を持つことを構造上の特徴とし、強いスクアレン合成酵素阻害活性を示すことから新しいタイプの高コレステロール血症治療薬の有力な候補の一つとなっている。本研究の結果、この合成における最大の問題点である8置換2,8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン環の効果的合成法の開発に成功した。この合成は、まず2,5-ジ(ベンジルオキシメチル)フランとジメチルアセチレンジカルボキシラートとのDiela-Alder反応で7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタジエン誘導体を合成し、次に孤立オレフィンの過酸によるエポキシ化、共役オレフィンの四酸化オスミウムによるcis-ジオール化に続き、エステルの隣接基関与を利用したラクトン化反応を行い4つのOH基が立体選択的に導入された7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を合成し、さらにこれをC1'位に脱離基を有する化合物に誘導し、環開裂反応後、ヨードアセタール化による環の巻き直しを行いコア部分を構築するものである。この方法により全ての不斉中心を備えたZaragozic Acidコア部が効率的に合成できる。
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Research Products
(1 results)