1999 Fiscal Year Annual Research Report
コンビナトリアルモレキュラーインプリンティングによる分子認識高分子の創製
Project/Area Number |
11672151
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
竹内 俊文 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (70179612)
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Keywords | モレキュラーインプリンティング / コンビナトリアルMI法 |
Research Abstract |
本研究では、モレキュラーインプリンティング(MI)法のための自動化ポリマー合成・評価システムを構築し、系統的に自動合成されたMIポリマーライブラリーを評価することによって、認識しようとする鋳型分子に最適な機能性モノマー、溶媒、反応条件などを簡便かつ迅速に見出すコンピューター支援コンビナトリアルMI法を開発し、実際にその有用性をモデル化合物を用いて実証することを目的とする。 モデル化合物としてトリアジン除草剤(アトラジン・アメトリン)を用い、機能性モノマーはメタクリル酸と2-(トリフルオロメチル)アクリル酸の2種類とした。これらの機能性モノマーを用いて、それぞれの量比を鋳型分子に対し0〜6当量の範囲で変化させ、49種類のポリマーからなるライブラリーの調整を行った。すなわち、バイアル瓶中に機能性モノマー、架橋性モノマー、鋳型分子、溶媒、重合開始剤などをリキッドハンドラー(合成ロボット)で分注した後、紫外光を照射することによってバイアル瓶の底にポリマーを合成した。その後リキッドハンドラーを用いて、ポリマーから鋳型分子を除去した。各々のポリマーの結合能・選択性を評価するため、アトラジンをインプリントしたポリマー(49種類)及びアメトリンをインプリントしたポリマー(49種類)それぞれに、アトラジン溶液、アメトリン溶液を分注し、1時間放置した後、リキッドハンドラーに直結したフローインジェクション分析システムで、上清中の未結合鋳型分子の定量を行った。その結果、アトラジンのインプリントにおける機能性モノマーにはメタクリル酸が適しており、またアメトリンにおいては2-(トリフルオロメチル)アクリル酸が適することが明らかとなった。この結果は、これまでに確立されている手法による実験結果と合致するものであり、ポリマー合成・評価ロボットの作整が可能であることが示された。
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