1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672154
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
松田 芳久 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (30068332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺岡 麗子 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (50165693)
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Keywords | 光安定性 / ICH / 熱安定性 / トコレチナート |
Research Abstract |
平成11年度は粘稠性の薬物トコレチナートの安定性に関するデータを測定し,光,酸素に不安定な医薬品の製剤設計における重要な基礎データを得た. すなわち,医薬品原体の酸素に対する安定性,熱に対する安定性を保存条件を変えて検討し,速度論的な解析を行った. 次に光に対する安定性を日米欧三極医薬品承認審査ハーモナイゼーション国際会議(ICH)において合意された試験法に基づいて,種々の光源(近紫外蛍光ランプ,白色蛍光灯,昼光蛍光灯)下で測定した.更に医薬品原体の光感受性を詳細に検討するために単色光下での安定性データを収集し,先の光源下でのデータと比較評価し,以下の結果を得た. 1)トコレチナートの光分解は波長依存性を示し,420nm付近の可視光線により著しく分解することが明らかとなった.また,光安定性を定量的に解析した結果,光源からの単位時間あたりの放射エネルギー量と分解速度定数との関係を明らかにした. 2)広範囲の光強度条件下で得られた光安定性データから,光安定性の加速試験が可能であることを明らかにした. 3)トコレチナートの熱分解反応における活性化エネルギーの測定により,常温下でも自動酸化が容易に起こることが判明した.またこの自動酸化反応は酸素濃度の影響を受け,酸素濃度の増加によって著しく加速されることが明らかとなった. 次年度はこの知見に基づいて,取り扱い性及び光,酸化に対する安定性の改善を検討する.
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