2000 Fiscal Year Annual Research Report
液胞ATPaseのサブユニット構造とイオン輸送メカニズムの研究
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11672158
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
柿沼 喜己 千葉大学, 薬学部, 助教授 (80134394)
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Keywords | 液胞ATPase / サブユニット / イオン輸送 / メカニズム |
Research Abstract |
大量精製した液胞型Na+-ATPase標品を用いて、22Na+の結合活性を調べたところ、一分子ATPase当たり6個のNa+イオンの結合が観察された。この結果はV0ローターを構成するNtpKプロテオリピッドの数(6個)に相当する。V0ローター部分を構成する16kDaプロテオリピッドNtpKのGlu139に対するに作用する阻害剤N,N'-dictclohexylcarbodiimideにより22Na+の結合が抑制されたことから、Glu139を中心にNa+結合部位が形成されていることが明らかになった。以上の結果は、輸送イオンであるNa+が直接ローター結合部位へランダムにアクセスしうることを示している。非放射性Na+によるチェース実験を行ったところ、6個結合した22Na+のうち4個が速くチェースされ、残りの2個のチェース速度が極めて遅かった。しかしながら、ATPを加えることにより、このチェース速度が遅い2個も速い速度でチェースされ、この遅い部分が本ATPaseによるNa+輸送反応に密接に関わっていることが示唆された。V0ローター部分へのNa+の結合はATPアナログの添加、ATPase触媒部分に作用する各種阻害剤の影響を受けなかった。V-ATPase反応機構の素反応過程では、ATPあるいはNa+はそれぞれ独立してそれぞれの結合部位に結合しうること、両者が該当部位に結合することによってはじめて全体反応が引き起こされる可能性が考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kawano,M.,: "Two major potassium uptake systems, KtrI and KtrII, in Enterococcus hirae"FEMS Microbiology Letters. 176. 449-453 (1999)
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[Publications] Ikegami,M.,: "Sodium ATPase and sodium/proton antiporter are not obligatory for sodium homeostasis of Enterococcus hirae at acid pH"Bioscience Biotechnology and Biochemistry. 64. 1088-1092 (2000)
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[Publications] Murata,T.,: "Na+ binding of V-type Na+-ATPase in Enterococcus hirae"Journal of Biological Chemistry. 275. 13415-13419 (2000)
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[Publications] Kawano,M.,: "Evidence for Na+ influx via the NtpJ protein of the KtrII K+ uptake system in Enterococcus hirae"Journal of Bacteriology. 182. 2507-2512 (2000)