2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヘビ毒由来アポトーシス誘導因子アポキシンIの分子機能及び生合成機構
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11672159
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Research Institution | Institute of Molecular and Cellular Biosciences, The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内藤 幹彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (00198011)
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Keywords | Apoxin / アミノ酸オキシダーゼ / 蛇毒 / アポトーシス |
Research Abstract |
出血性蛇毒であるガラガラ蛇の毒素からアポトーシス誘導因子Apoxin Iを精製した。生成したApoxin IのN末アミノ酸配列の解析からApoxin IはLアミノ酸オキシダーゼと相同性が高いことが示され、実際精製Apoxin IがLアミノ酸オキシダーゼ活性を持つことが明らかになった。CatalaseやTrolox等の活性酸素消去剤を用いた検討から、Apoxin IはLアミノ酸を酸化し、その結果生じた過酸化水素が細胞に傷害を与えアポトーシスを誘導することが明らかになった。精製Apoxin Iをリジルエンドペプチダーゼで消化して得られたペプチド断片のアミノ酸配列を決定し、この配列をもとに縮重プライマーを合成して、PCR法により蛇毒腺細胞のcDNAライブラリーからApoxin Iの全長cDNAをクローニングした。cDNA塩基配列の結果からApoxin Iはフラビン結合ドメインとADP結合ドメインを持ち、L-アミノ酸の酸化にFADを補酵素として必要とすることが示唆された。Apoxin IのcDNAを真核細胞に導入して発現を試みたところ、組み替え蛋白質が細胞内に蓄積し、一部は培養液中に分泌された。細胞内に蓄積しているApoxin Iは不活性であり、培養上清中に分泌されてきたApoxin IがL-アミノ酸オキシダーゼ活性及びアポトーシス誘導活性を持つことがわかった。また活性なApoxin I分子を生合成するためには糖鎖による修飾が必要であった。これらの結果から、Apoxin Iの活性は細胞内では抑制されており、分泌される過程で糖鎖などの修飾を受けて活性化される可能性が考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Torii,S.: "Molecular cloning and functional analysis of apoxin I,-"Biochemistry. 39. 3197-3205 (2000)
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[Publications] Sakamoto,H.: "Glyoxalase I is involved in resistance of human leukemia-"Blood. 95. 3214-3218 (2000)
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[Publications] Kageyama,T.: "The 4F2hc/LAT1 complex transports L-DOPA across the blood-"Brain Res.. 879. 115-121 (2000)
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[Publications] Ishiguro,T.: "Analysis of novel metastasis-associated gene TI-227."Jpn.J.Cancer Res.. 91. 390-394 (2000)
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[Publications] Kobayashi,J.: "Multidrug resistance reversal activity of taxoid from-"Jpn.J.Cancer Res.. 91. 638-642 (2000)
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[Publications] Kochi,S.: "Induction of apoptosis in mouse brain capillary endothelial"Life Sci.. 66. 2255-2260 (2000)