1999 Fiscal Year Annual Research Report
透過性細胞を用いた胃壁細胞内プロトンポンプ輸送系の制御機構の解明
Project/Area Number |
11672160
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
漆谷 徹郎 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (40262159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 拓 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (30217971)
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Keywords | 胃酸分泌 / 胃底腺 / βエシン / ジギトニン / 小分子GTP結合蛋白質 / プロテインキナーゼ |
Research Abstract |
本研究の目的は,2種類の透過性胃底腺モデルを用いて,壁細胞内シグナル伝達を解明することである.本年度の目標それぞれについて,以下の成果が得られている. (1)まずβエシン透過性胃底腺を用いてcAMPの下流にどの様なタンパクが関係しているのか各種タンパクキナーゼの抑制ペプチド,各種小分子Gタンパク質の機能ドメインを用いて検討したところ,A-キナーゼ,及びその下流にミオシン軽鎖キナーゼ様の酵素が関与している可能性を示した.その他のキナーゼの関与は見出されなかった.各種小分子Gタンパク質のうち,効果が得られたのはArfのみであった.βエシン透過性胃底腺の酸分泌のGTPγSによる抑制時に膜にArfが蓄積することから,小胞輸送にArfが関与する可能性を示した.これはAm.J.Physiol.に論文として報告した. (2)ジギトニン透過性胃底腺でスクリーニングすることによって細胞質由来の未知の活性化・抑制因子を,各種クロマトグラフィーによって分画・精製し,それぞれの因子を同定することを目指した.現在のところ,活性化因子として,高分子と低分子の2種類をみいだし,高分子の方はフォスファチジルイノシトール輸送蛋白であることを明らかにした(第73回日本薬理学会年会報告予定).現在,この作用を増強する低分子について構造決定を目指している.抑制因子は,複数のサブユニットから成る高分子複合体を形成していることを示唆する結果が得られ,そのうち60kDa程度の候補蛋白質について,部分アミノ酸配列の決定を試みている.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K. Akagi, T. Nagao & T. Urushidani: "Responsiveness of β-escin-permeabilized rabbit gastric gland model-Effects of functional peptide fragments"Am. J. Physiol.... 277. G736-G745 (1999)
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[Publications] Y. Sugita, T. Nagao & T. Urushidani: "Nonspecific effects of the pharmacological probes commonly used to analyze signal transduction in rabbit parietal cells"Eur. J. Pharmacol.. 365. 77-89 (1999)
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[Publications] K. Nishioka, T. Nagao & T. Urushidani: "Correlation between acid secretioin and proton pump activity during inhibition by proton pump inhibitors omeprazole and pantoprazole"Biochem. Pharmacol.. 58. 1349-1359 (1999)
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[Publications] T. Nishizawa, T. Nagao, T. Iwatsubo., J.G. Forte & T. Urushidani: "Molecular Cloning and Characterization of a Novel CLIC-related Protein, Parchorin, Expressed in Water-Secreting Cells"J. Biol. Chem. (in press). (2000)