2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672173
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
庄司 省三 熊本大学, 薬学部, 教授 (60040317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高宗 暢暁 熊本大学, 薬学部, 助手 (60322749)
三隅 将吾 熊本大学, 薬学部, 助手 (40264311)
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Keywords | HIV-1 / プロテアーゼ / p2gag / 内因性自殺ペプチド |
Research Abstract |
近年,HAART療法の普及により,患者の延命効果が報告される一方で,多剤耐性ウイルスの出現は長期にわたる抗ウイルス剤投与に伴う副作用や服薬の困難さと相まってAIDSの化学療法を困難なものにしている.HIV-1がこの高い変異率に基づく薬剤耐性獲得能を有する限り,ヒトとHIV-1との知恵比べはこれからも続くことが予想され,薬剤耐性を獲得しにくい,次世代の抗HIV剤の開発が望まれる.HIV-1プロテアーゼは,前駆体蛋白質(Pr55^<gag>,p160^<gag-pol>)からウイルスの構造蛋白質と種々の酵素(プロテアーゼ,逆転写酵素,インテグラーゼ等)を生成する.しかしプロセシング終了後,どのような機構によって,その活性が制御されているのかについては未だ判っておらず,この点に申請者らは注目し,これまでに以下のような研究成果を得ている. 1)in vitroにおいて前駆体蛋白質(Pr55^<gag>,p160^<gag-pol>)の最終プロセシング産物に相当する化学合成されたp2^<gag>ペプチドがHIV-1プロテアーゼの活性を阻害すること.さらに、p2^<gag>ペプチドのアミノ末端から9残基までの配列が、その阻害活性には必要であること。 2)p2^<gag>ドメインは,種々のHIV-1のサブタイプにおいて高度に保存されていること. 3)分子しクロマト分析の結果,p2^<gag>ペプチドのHIV-1プロテアーゼに対する阻害機構は,HIV-1プロテアーゼの活性2量体形成阻害であったこと. 4)MALDI TOF-MS分析の結果,p2^<gag>ペプチドは実際に出芽後のウイルス粒子中に存在すること. 5)現在、p2^<gag>ペプチドのmimic化及び非ペプチド化が進行中であり、幾つかの低分子リード化合物が見つかっており、これらの化合物を基にHIV-1proteaseに対するfitnessがより良いものを検索中である。 以上の成果は,HIV-1ライフサイクルのおいて,プロテアーゼの活性を阻害するためのHIV-1固有の内因性プロテアーゼ阻害剤の発見であり,薬剤耐性変異株の出現を抑えることのできる次世代のプロテアーゼ阻害剤の開発につながるものであると考えられる.
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