1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672197
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
鵜飼 良 名城大学, 薬学部, 教授 (80131209)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 顯 名城大学, 総合研究所, 教授 (70023041)
|
Keywords | エンドモルフィン / オピオイド / オピオイド受容体拮抗薬 / 抗痴呆薬 / 自発的交替行動 / 受動的回避学習 / 生理活性ペプチド / 痴呆 |
Research Abstract |
痴呆関連ペプチドによる痴呆モデル動物作製に関する研究の一環として内在性μ-オピオイド受容体作動薬endomorphins(endomorphin-1および2)に着目し,それらの短期および長期記憶に及ぼす作用を,それぞれ自発的交替行動および受動的回避学習を指標にして検討した. 1)自発的交替行動に及ぼす作用 Endomorphin-1(10および17.5μg)およびendomorphin-2(10μg)は,自発的交替行動を有意に低下させた.Endomorphin-1(10μg)およびendomorphin-2(10μg)による自発的交替行動の有意な低下はμ-オピオイド受容体拮抗薬β-funaltrexamine(5μg)の併用により有意に抑制されたが,δ-オピオイド受容体拮抗薬naltrindole(4ng)あるいはκ-オピオイド受容体拮抗薬nor-binaltorphimine(4μg)を併用しても影響されなかった. 2)受動的回避学習に及ぼす作用 Endomorphin-1(10および17.5μg)およびendomorphin-2(17.5μg)は,受動的回避学習を有意に障害させた.β-Funaltrexamine(5μg)は,endomorphin-1(17.5μg)およびendomorphin-2(17.5μg)による受動的回避学習障害を有意に抑制したが,naltrindole(4ng)あるいはnor-binaltorphimine(4μg)は無効であった. 以上の結果より,endomorphinsはμ-オピオイド受容体を介して短期および長期記憶を障害させることが示唆された.
|
-
[Publications] Makoto Ukai: "Characterization of the dopamine D_3 receptor agonist R(+)-7-hydroxy-N,N-di-n-propyl-2-aminotetralin-induced hypo- and hypermotility in mice."Hum. psychopharmacol. Clin. Exp.. 14. 453-458 (1999)
-
[Publications] 鵜飼 良: "Endomorphins と学習・記憶"名城大学総合研究所紀要. 4. 175-176 (1999)
-
[Publications] 鵜飼 良: "神経ペプチドによる精神疾患予防薬・治療薬の開発研究"医科学応用研究財団研究報告1998. 17. 127-130 (2000)
-
[Publications] 鵜飼 良: "δ-オピオイド受容体作動薬誘発健志におけるドパミン受容体の関与"名城大学総合研究所紀要. 5:(印刷中). (2000)
-
[Publications] Makoto Ukai: "Effects of endomorphins 1 and 2, endogenous μ-opioid receptor agonists, on spontaneous alternation performance in mice."Eur. J. Pharmacol.. (in press). (2000)
-
[Publications] 鵜飼 良: "生理活性peptideによる脳機能障害治療薬の開発研究"応用薬理. 57. 138-139 (1999)