1999 Fiscal Year Annual Research Report
難治性アレルギー疾患の遷延化機構の解明と治療薬の開発
Project/Area Number |
11672201
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
赤木 正明 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (90093658)
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Keywords | アレルギー性炎症 / ヒスタミン / 肥満細胞 / 好酸球 / サイトカイン / 転写因子 |
Research Abstract |
1 感作肥満細胞に抗原刺激を行うと,MIP-1α、IL-6、MCP-1のmRNAの経時的発現が観察された。MIP-1αおよびIL-6 mRNAの発現は、カタラーゼの共存により減弱した。過酸化水素単独で作用させた際にも同様のmRNAの発現が観察された。 2 過酸化水素をラット胸部大動脈の内皮を除去したリング状標本に作用させると、濃度依存的な収縮が誘発された。この収縮は、ジチオスレイトールおよびゲニステインにより用量依存的に抑制された。このことから、過酸化水素はEGF受容体のシステイン残基のジスルフィド結合形成が関与している可能性が示唆された。 3 モルモット鼻粘膜にhistamineを点鼻すると、24時間後に最大となる好酸球浸潤が観察された。この好酸球浸潤の時間経過は、抗原-抗体反応によるものと同様であった。またこの浸潤は、histamine H1拮抗薬エバスチンの前処置により抑制された。 4 虚血5分により心臓においてHDC mRNAの発現上昇が観察された。また同時刻にNF-κB、NF-IL6、C/EBP、GATA-1などの転写調節因子が核内に移行した。これらの転写因子はHDCのpromotor領域に認識配列が存在することが既に判っているので、これらの転写因子が虚血により産生された活性酸素種により活性化され、HDCの転写制御を行った可能性が示唆された。また、NF-κBのmRNAの発現は、虚血5分より上昇傾向にあり、NF-κBのpromotor領域にNF-κBの認識配列が存在することより、NF-κBが活性化するとオートクライン機構が働き、NF-κB自身が誘導を受ける可能性が示唆された。
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