2000 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン受容体を介する遺伝子転写活性化を増強する核内因子の同定と機構解析
Project/Area Number |
11672203
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Research Institution | 国立公衆衛生院 |
Principal Investigator |
頭金 正博 国立公衆衛生院, 衛生薬学部, 主任研究官 (00270629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒瀬 光一 国立公衆衛生院, 衛生薬学部, 主任研究官 (30280754)
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Keywords | CYP2A8 / マウス肝臓 / One hybrid screening / 核内因子 / AHR / XRE |
Research Abstract |
ハムスター肝臓で発現しているシトクロムP450-2A8(CYP2A8)はダイオキシン受容体を介して遺伝子の発現が誘導される。我々は既にCYP2A8遺伝子の転写調節領域にダイオキシン受容体の応答配列であるXREが存在しており、CYP1A1と同様の機構で遺伝子の転写が調節されていることを見いだしている。CYP2A8の場合XREによる転写活性化機構に加えて、XREの50bp上流にダイオキシン受容体による転写活性化を増強する配列(PREX)が存在していることを我々は発見している。この機構はCYP1A1では見られないユニークな配列であったことから、本研究においてはPREXによる遺伝子転写活性の増強機構を調べることを目的とした。まず、マウス肝臓の細胞核抽出液を用いてゲルシフトアッセイを行い、PREXに結合する因子の存在について調べた。その結果、マウス肝臓中にPREX結合因子が存在していることを見いだした。そこで、マウス肝臓cDNAライブラリーを用いたOne-hybrid screening法で結合因子のcDNAの同定を試みた。その結果、PREXに結合できる可能性のある核内因子のcDNAを2個クローニングすることができた。これらはいずれも既知の核内因子であったが、XREによる転写活性化に関する機能はこれまでに報告されておらず、新しい転写調節機構が示唆された。現在、酵母で発現させたタンパク質を用いたゲルシフトアッセイおよびCYP2A8遺伝子のレポーターアッセイ系を用いて、クローニングされた因子の機能の確認を行っている。
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[Publications] Tohkin,M.,Fukuhara,M.,Elizondo,G.,Tomita,S.,Gonzalez,F.J.: "Aryl hydrocarbon receptor is required for p300-mediated induction of DNA synthesis by adenovirus E1A"Mol.Pharmacol.. 58(4)). 845-851 (2000)
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[Publications] Sinal,C.J.,Tohkin,M.,Miyata,M.,Ward,J.M.,Lambert,G.,Gonzalez,F.J.: "Targeted disruption of the nuclear receptor FXR/BAR impairs bile acid and lipid homeostasis"Cell. 102(6)). 731-744 (2000)
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[Publications] Sinal,C.J.,Miyata,M.,Tohkin,M.,Nagata,K.,Bend,J.R.,Gonzalez,F.J.: "Targeted Disruption of Soluble Epoxide Hydrolase Reveals a Role in Blood Pressure Regulation"J.Bio.Chem.. 275(51). 40504-40510 (2000)