1999 Fiscal Year Annual Research Report
内毒素シグナル伝達におけるホスホリパーゼD活性化の分子機構とその役割に関する研究
Project/Area Number |
11672204
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
西島 正弘 国立感染症研究所, 細胞化学部, 部長 (60072956)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山河 芳夫 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (50100102)
|
Keywords | リポ多糖 / LPS / マクロファージ / CD14 / NF-kB / ホスホリパーゼD / ジアシルグリセロール / RhoA |
Research Abstract |
グラム陰性菌の外膜主要成分であるリポ多糖(LPS)は血清中のLPS結合タンパク質と複合体を形成したのち、マクロファージ細胞表面抗原CD14に結合し、この細胞に様々な刺激を伝達する。CD14はGPIアンカータンパク質で細胞質ドメインを持たないため、単独で情報を細胞内へ伝達できず、LPSの刺激情報を伝達するためにはCD14と相互作用する因子の存在が予想されているが、その実体は未だ明らかではない。 CD14を介したLPS刺激による細胞応答の初期過程で、NF-kBの活性化、すなわち、NF-kBが細胞質から核内へ移行することが知られており、このNF-kB活性化はLPS刺激後速やかに(10〜30分)進行し、これがサイトカインなどの生理活性物質の産生に必須である。しかし、このNF-kBを活性化するシグナル伝達分子機構の詳細はまだ明らかではない。我々はLPSがCD14を介してホスホリパーゼD(PLD)およびホスファチジン酸脱リン酸化酵素(PAP)を活性化しホスファチジルコリン(PC)由来の一過性のジアシルグリセロール(DAG)産生を引き起こし、このDAG産生がNF-kBの活性化に必須であることを見い出した。さらに、このLPSによるPLDの活性化とNF-κB活性化のシグナル伝達機構においてPLDの活性化因子であるRhoAが関与することも明らかにした。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] K.Kawasaki: "Mouse TLR4/MD-2 Complex Mediates Lipopolysaccharide-mimetic Signal Transduction by Taxol"J.Biol.Chem.. 275. 2251-2254 (2000)
-
[Publications] 西島正弘: "LPS刺激の細胞内シグナル伝達機序"Molecular Medicine. 36. 498-503 (1999)
-
[Publications] 山元久典: "エンドトキシン研究2新しい展開"菜根出版. 234 (1999)