1999 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜タンパク質の発現変化を標的とした新規ヒト癌抑制遺伝子の探索と機能解析
Project/Area Number |
11672205
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
北川 隆之 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (80092188)
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Keywords | 膜タンパク質 / 癌抑制遺伝子 / 転写調節 / がん病態 |
Research Abstract |
ヒト死因の1位を占めるがん化に関与する癌遺伝子、癌抑制遺伝子の分離や機能解析は、がんの分子機構や治療戦略の解明に極めて重要である。我々はヒト11番染色体に存在する新規癌抑制遺伝子に着目し、腫瘍性の異なるHeLa融合細胞系を用いて、糖輸送タンパク質など細胞膜タンパク質の発現変化を指標に解析し、この癌抑制遺伝子による正負の転写制御機能を示唆する知見を得た。そこで本研究では、これらの研究成果に基づき、正負に発現が制御される遺伝子の転写活性を指標とした新規癌抑制遺伝子の転写制御機能の解明を試みた。標的遺伝子としてカリフォルニア大学のDr.Fieldingより供与されたヒト由来のカベオリンプロモーターを含む約700bpのDNA断片を組み込んだルシフェラーゼ発現ベクターを用い、HeLa融合細胞の転写活性を比較検討した。その結果、カベオリンmRNAの発現量に応じたプロモーター活性の違いがHeLa融合細胞系で認められた。ついで、プロモータの部分変異体を含むルシフェラーゼ発現ベクターを用いてプロモーター領域の解析を行ったところ、特異的なDNA配列を含むDNA領域がこの転写制御に必須であることが判明した。現在、このプロモーター領域への転写因子の結合性についてDNAプローブを用いたゲルシフト法によりさらに検討中である。また糖輸送タンパク質とカベオリンのin vivo腫瘍性への関与についてもヌードマウスを用いて検討した。
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