1999 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウスを用いたサリドマイドの催奇形性の機序の解析
Project/Area Number |
11672207
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮田 昌明 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90239418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 清 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80189133)
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Keywords | サリドマイド / 催奇形性 / 遺伝子欠損マウス / 胎児線維芽細胞 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
マウス胎児繊維芽細胞の増殖抑制試験において7,12-dimethylbenz[a]anthraceneは1μMで細胞増殖を約50%抑制することが示されている。マウス胎児繊維芽細胞にサリドマイド100μMを処理したが、胎児繊維芽細胞の細胞増殖の抑制は認められなかった。サリドマイドの毒性発現には代謝活性化が必要と考えられるため、種々の動物の肝ミクロゾームを用いるプレインキュベーション法を細胞増殖抑制試験に導入することを試みた。サリドマイドと同様に直接処理しても胎児繊維芽細胞の細胞増殖に影響を与えないbenz[a]pyrereneを用い、β-naphthoflabone処理したマウス肝ミクロゾームによりプレインキュベーションした後、胎児繊維芽細胞に処理したところ濃度依存的に胎児繊維芽細胞の細胞増殖を抑制した。そこで妊娠18日雌ウサギ肝及び胎児肝のミクロゾームを調製し、上記の方法でサリドマイドをウサギ肝ミクロゾームとプレインキュベーションし胎児繊維芽細胞に処理したところ胎児繊維芽細胞の細胞増殖を濃度依存的に抑制した。この結果は、本実験系がサリドマイドの催奇形性の機構を解析するために有用である可能性を示している。そこで現在種々の動物種のミクロゾームを用いてプレインキュベーション法を行い、サリドマイドの催奇形性における動物種差と本実験系の結果が相関するか検討している。今後ウサギ肝ミクロゾームによるサリドマイドの代謝物と催奇形性を起こさない齧歯類のミクロゾーム代謝物の比較を実施する予定である。
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