1999 Fiscal Year Annual Research Report
モデル反応系によるN-ニトロソ化合物の活性化と活性化体の環境内発がんへの寄与
Project/Area Number |
11672229
|
Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
望月 正隆 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (10072414)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲見 圭子 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (00271247)
石川 さと子 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (70223518)
|
Keywords | N-ニトロソジアルキルアミン / 化学的酸化モデル系 / 代謝活性化 / 変異原性 / 一酸化窒素 / DNAアルキル化 |
Research Abstract |
本研究では、未だ解明されていないN-ニトロソジアルキルアミンの代謝経路の詳細および新たな活性化経路の発見を目指し、シトクロムP450の代わりに化学的酸化モデル反応系を用いてN-ニトロソジアルキルアミン類の活性化を検討している。 N-ニトロソジアルキルアミンを鉄ポルフィリン-酸化剤系で代謝させると、生体内と同様のα位水酸化反応が起こり、中間生成物であるアルデヒドの脱離、最終生成物であるアルコールが生成することを確認した。細菌を用いた突然変異原性試験においては、塩基対置換型突然変異を検出するSalmonella typhimurium TA1535株およびアルキル化損傷の修復酵素欠損株であるSalmonella typhimurium YG7108株に対して、N-ニトロソジアルキルアミンと化学モデル系共存下、DNAアルキル化に由来する変異原活性を検出した。 一方、アルキル鎖の炭素数が3個以上のN-ニトロソジアルキルアミンをフェントン系である鉄-銅-過酸化水素で酸化すると、代謝活性化を必要としない強力な直接的変異原性化合物が生成し、NOを共存させると生成量が増加することを見いだした。N-ニトロソ-N-メチルペンチルアミンを用い、鉄-銅-過酸化水素系による構造変換を検討したところ、すでに単離しているN-ニトロソ-N-メチルブチルアミン由来の変異原性物質と同程度の活性を発現した。さらに、生成した変異原性物質の生成はNOを添加することで活性が上昇することから、N-ニトロソ-N-メチルブチルアミンと同様の機構で変異原性物質が生成することが分かった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Chone Y,Kinouchi T,Yamada T,Suzuki Y,Kitaura K,Jiao Z,Minami T,Bando Y,Uehara H,Mochizuki M,Ohnishi Y,Izumi K: "Low susceptibility of Long-Evans Cinnamon rats to N-butyl-N-(4-hydroxybutyl)-nitrosamine-induced urinary bladder carcinogenesis and inhibitory effect of urinary copper"Jpn. J. Cancer Res.. 91. 16-24 (2000)
-
[Publications] S.Ukawa-Ishikawa,M.Seki,M.Mochizuki: "Mutagenicity of potassium alkanediazotates in Chinese Hamster V79 cells and their alkylating activity"Biol.Pharm.Bull.. 22(6). 577-581 (1999)
-
[Publications] S.Ukawa-Ishikawa,A.Sawada,K.Kasuya,M.Mochizuki: "Mutagenicity of isomeric alkanediazotates, precursors for ultimate alkylating species of carcinogenic N-nitroso compounds,"Mutation Res.. 412. 99-107 (1998)