2000 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞を用いるダイオキシンの毒性発現機構に関する遺伝子レベルにおける検討
Project/Area Number |
11672231
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
手塚 雅勝 日本大学, 薬学部, 教授 (00046294)
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Keywords | 3T3-L1細胞 / TCDD / 脂肪細胞分化 / clonal expansion / Rbタンパク質 / p42 / p44 / p107 |
Research Abstract |
平成12年度においては、3T3-L1細胞の脂肪細胞分化におけるTCDDの阻害作用機序を明らかにする目的で、TCDDによる3T3-L1細胞の分化抑制作用に関連した細胞内情報伝達ならびに遺伝子発現の変化を検討した。3T3-L1細胞の脂肪細胞への分化誘導は常法に従い、分化誘導剤添加により行った。Rbタンパク質ならびに関連タンパク質の検出はウエスタンブロッティング法により行った。TCDD処理による遺伝子発現の変化はPCR-サブトラクション法(Clontech)を用いて行い、得られたクローンの発現量の再確認はリバースノーザン法を用いて行った。MAP kinaseならびにJNK活性の測定は免疫沈降後に行った。コントロール細胞において分化誘導剤添加48時間後に細胞増殖(clonal expansion)が見られたが、この際10nM TCDDを添加することにより細胞増殖は観察されず、その後の分化も抑制された。そこで、分化誘導剤添加24時間後にTCDDを暴露し、48時間後にRNAを抽出してサブトラクション法により検討した。その結果、TCDDによる分化抑制に伴い発現量が変化し、かつTCDDが毒性を示さない条件下(分化誘導剤添加78時間以降におけるTCDDの暴露)では変化を示さないクローンを単離した。またTCDD処理により脂肪細胞分化に伴うRbタンパク質のリン酸化ならびにp107のdown-regulationが阻害された。さらにp42/p44MAP kinase活性を測定したところ、TCDD処理により活性の上昇が認められた。
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