1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672232
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
平岡 昇 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (00025701)
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Keywords | 植物組織培養 / シュート培養 / 遺伝子源保存 / ハマボウフウ / 冷蔵保存 / フラノクマリン / ポリアセチレン化合物 |
Research Abstract |
冷蔵培養シュートから復元したクローン薬用植物の植物学的評価並びに含有成分の母植物との定性的・定量的同一性に関する化学的評価を行うことにより,薬用植物のin vitroにおける保存法としての培養シュート冷蔵法の信頼性と汎用性を証明することを目的として本研究を実施して、以下の結果を得た。 1 培養シュートの確立とミクロ繁殖:冷蔵保存実験に供する植物材料として、本学薬用植物園で系統保存しているセリ科ハマボウフウ(7)、キク科オケラ属植物のオケラ(3)、オオバナオケラ(1)、ホソバオケラ(5)、チョウセンオケラ(1)、シナオケラ(1)、暖地性の植物種としてイネ科レモングラス(1)、ナス科コダチチョウセンアサガオ(1)のシュート培養を確立しし(かっこ内は系統数)、ミクロ繁殖を行った。 2 冷蔵実験:ユリ科アミガサユリの培養鱗茎は0-4℃で冷蔵することにより5年間移植することなく試験管内の寒天培地上で保存が可能であった。 3 栽培実験:オオバナオケラおよびナス科ハシリドコロの冷蔵シュート並びにケシ科エゾエンゴサクの冷蔵不定胚から復元した植物を圃場またはプランターで栽培した。 4 評価の実施:2年間明所又は暗所で冷蔵した培養シュートから復元した長崎県由来のハマボウフウを98年4月に対照植物群とともに圃場に定植したものを99年9月に収穫した。冷蔵系統の植物に外部形態上の変異は観察されなかった。地下部の成分として、少量のインペラトリンと多量のフォルカリンジオールとパナキシノールが検出され、以前に筆者らが報告した南方系のパターンに一致した。明所で冷蔵した株では、量的にも対照と有意差がなかったが、暗所冷蔵株では、いずれの成分も有意に低下していた。
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