1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672233
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
三野 芳紀 大阪薬科大学, 薬学部, 助教授 (60125119)
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Keywords | ダイオキシン / 生物分解 / 無毒化 / キノコ / 土壌 |
Research Abstract |
ダイオキシン汚染土壌の浄化法の開発を目的として、数種の白色腐朽菌のダイオキシン分解活性に関する実験を行った。なお、ダイオキシンとして比較的低毒性の2,7-DCDD(ニ塩化物)を用いた。 培養条件等の検討の結果、シイタケ、マイタケ、エノキタケにおいて、2週間の培養(酸素100%、リグニン添加20mg/10ml)で、30-40%のダイオキシンの分解が認められた。この活性は、ダイオキシンを分解することが既に分かっている白色腐朽菌の1種(ファネロキエーテ・クリソスポリウム:輸入有害菌に指定されている)の分解活性とほぼ同程度であった。このように、身近なキノコにダイオキシン分解活性が認められたことは、将来、キノコを用いるダイオキシン汚染土壌・浄化プラントの可能性を示唆するものであり、興味深い結果と思われる。 現在のところ、白色腐朽菌によるダイオキシンの分解機構として、菌体外に放出されるリグニン分解酵素の関与が示唆されている。今後、これら3種のキノコ培養液(菌体外酵素を含む)中のダイオキシン分解活性の有無や、ダイオキシンの分解中間体の検出などにより、今回得られた知見を再確認する必要があると思われる。
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