1999 Fiscal Year Annual Research Report
薬物速度論を用いたMRSA用抗生物質の適正使用とその医療経済学的研究
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11672247
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
松山 賢治 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (00117251)
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Keywords | MRSA / コストと薬効 / バイコマイシン / アルベカシン / テイコプラニン / 薬物速度論 / コンピュータシュミレーション |
Research Abstract |
MRSA用抗生物質としてバンコマイシン、アルベカシン、テイコプラニンについて薬物速度論的検討を実施した結果、バンコマイシンについては、得られた日本人の平均的な速度論的パラメータでコンピューターシュミレーションした結果、一日一回1300mgを間欠投与することで、理想的ピークを描くことが実証された。この結果、従来のバンコマイシンの添付文書どおりの1日2000mg2週間投与すると\270.200かかるのに対して、本投与法は\202.650で、\67.550もコストを削減できることが明かとなった。一方、アルベカシンについても、1日200mgを2分割する添付文書の方法では血中濃度のピーク濃度がMRSAを陰性化するのに不十分で、1日200mgを一回投与すると遥に効果的であることが明かになった。テイコプラニンについても申請者で平均的な速度論的パラメータを算出した結果、分布容積0.6436L/kg,クリアランスは0.0182L/kg/hrであることが判明、このパラメータを用いて最適投与計を作成した結果、添付文書の1日1回200mg投与では不適当で、副作用を回避しながら効果を得るには、1日1回400mg投与が必要であることが明かとなった。本研究結果は、限られた医療資源を有効に使用する方法の端緒を示した点で意義深いものがある。
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