1999 Fiscal Year Annual Research Report
不活性X染色体のヘテロクロマチン化に関わるトランス因子
Project/Area Number |
11672249
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 郁也 北海道大学, 遺伝子実験施設, 助手 (90240275)
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Keywords | マウス / 不活性X染色体 / ヘテロクロマチン / アセチル化 / XIST RNA / microcell fusion / 細胞雑種 / ヒト |
Research Abstract |
哺乳類X染色体の不活性化に伴うヘテロクロマチン化に関わる遺伝子群の単離を目指して、マウス体細胞中に単独でおかれたヒト不活性X染色体の示す異常を相補するヒト染色体の検索を行っている。ヒト染色体としては不活性X染色体だけをマウスA9繊維芽細胞株中に保持するCF150雑種細胞中で、このヒト不活性X染色体は、(1)核膜周縁部に局在するSex chromatin body(SCB)を形成できず、(2)コアヒストンH4が他のマウス染色体と同レベルまでアセチル化され、(3)XIST RNAの染色体上での局在性も失われる。一方、これらの異常は、CF150のヒト不活性X染色体をヒト細胞へ導入すると全て正常状態へと復帰する。従って、(1)〜(3)の異常に関わる因子が単独の遺伝子に支配されているのであれば、CF150細胞にヒト染色体の全種類を一本ずつ導入して行くことで、それらの遺伝子が座乗している染色体が決定できるはずである。この様な仮定のもと、CF150細胞にヒト全染色体の導入を続けており、現在までに、一通り全てのヒト染色体の導入を完了した。これまで調べたところによると、得られた雑種クローンには染色体の欠失などを起こしたものもかなりの頻度でみられ、まだヒト全ゲノムをカバーしている訳ではないが、順次、これらのクローン中でのヒト不活性X染色体の行動を解析している。 またCF150由来のヒト不活性X染色体のマウスEC細胞への導入実験から、XIST RNAの染色体局在に関して未分化細胞型と体細胞(分化細胞)型の2種の因子が存在する可能性も示唆されたため、合わせて解析を続けている。
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Research Products
(1 results)