1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672263
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島添 隆雄 九州大学, 薬学研究科, 助手 (00216053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 繁紀 九州大学, 薬学研究科, 教授 (50037595)
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Keywords | 糖尿病 / サーカディアンリズム / 視交叉上核 / 同調機能 / セロトニン |
Research Abstract |
糖尿病と体内時計機構の関連性を明らかにする目的で、インスリン非依存型糖尿病モデルであるOtsuka Long Evans Tokushima Fatty (OLETF)ラットを用いて、光誘発性Fosタンパクの発現を免疫組織学的に検討した。Fosタンパクは光照射後に視交叉上核内に特異的に発現し、体内時計の同調機能に重要な役割を果たしていると考えられている。そこで、様々な照度で光照射後に視交叉上核内に発現したFosタンパク数を定量したところ、50,100luxという比較的弱い照度では糖尿病発症前から有意な減少が見られた。すなわちOLETFラットでは、糖尿病発症前から光同調機能が低下していることが明らかになった。 また、セロトニン神経系は体内時計機構に重要な役割を果たしていることが知られており、当教室ではOLETFラットのセロトニン代謝回転が亢進していることを明らかにしている。そこで先に示した光同調機能の低下とセロトニン神経系の関与を明らかにする目的で、光誘発性Fosタンパクの発現に対するセロトニン受容体拮抗薬の影響を検討した。セロトニン 1A受容体拮抗薬投与ではOLETFラットの光誘発性Fosタンパク発現数の減少は回復しなかった。一方、セロトニン 1B受容体拮抗薬投与により、OLETFラットの光誘発性F0sタンパク発現数の減少が用量依存的に回復し、3mg/kgの用量で有意な回復が認められた。セロトニン 1B受容体は網膜視床下部路を含む視神経終末に存在し、glutamateの遊離を抑制することが報告されている。このことから、セロトニン 1B受容体拮抗薬投与によりglutamateの遊離抑制が解除され、OLETFラットの光同調機能低下が回復した可能性が考えられる。以上、OLETFラットの光同調機能低下にはセロトニン 1B受容体が重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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[Publications] Takako Kawanami et al.: "Different effects of trypsin inhibitors on intestinal gene expression of secretin and on pancreatic bicarbonates secretion in CCK-A-receptor-deficient rats"Jpn.J.Pharmacol.. Vol.81. 339-345 (1999)
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[Publications] Takao Shimazoe et al.: "Lowered entrainment function in the suprachiasmatic nucleus of Otsuka Long Evans Tokushima Fatty(OLETF) rats"Jpn.J.Pharmacol.. Vol.80. 85-88 (1999)