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1999 Fiscal Year Annual Research Report

慢性疼痛下におけるモルヒネ反復投与後のオピオイド受容体とその情報伝達機構の変容

Research Project

Project/Area Number 11672276
Research InstitutionShowa University

Principal Investigator

徳山 尚吾  昭和大学, 薬学部, 助教授 (70225358)

Keywords慢性疼痛 / モルヒネ / 耐性 / 依存 / κ受容体
Research Abstract

近年、慢性疼痛下にあるがん患者において、モルヒネ鎮痛効果に対する耐性が形成されにくいとの臨床報告がなされている。そこで、本研究では慢性疼痛モデル動物を作成し、モルヒネの耐性・依存性形成の有無を確認するとともに、その作用機構におけるオピオイド受容体の関与について検討を加えた。慢性疼痛モデルはddY系雄性マウスの左肢足蹠にホルマリンを投与することで作成した。正常動物ではモルヒネ5日間の反復投与によって鎮痛効果に対する耐性の形成が観察されたものの、慢性疼痛モデル動物においてはその耐性形成が有意に抑制された。さらに、この耐性形成の抑制は、κ受容体アンタゴニストであるノルビナルトルフィミンあるいはκ受容体に対するantisense oligodeoxynucleotideの処置によって消失した。一方、δ受容体アンタゴニストのナルトリンドールは、慢性疼痛下におけるモルヒネの耐性形成の抑制効果に対して何らの影響も及ぼさなかった。また、慢性疼痛モデルにおいては、ナロキソン誘発による退薬症候の発現もほぼ完全に抑制された。以上、本研究で作成した慢性疼痛モデルを用いることによって、モルヒネの鎮痛効果に対する耐性および依存形成が抑制されるという臨床知見を再現することに成功した。さらに、そのモルヒネ耐性不形成機構に、δ受容体の関与は少なく、κ受容体が大きな役割を果たしている可能性が示唆された。臨床的には、慢性疼痛患者においてモルヒネ耐性は形成されにくいと言われているものの、その治療が長期にわたることで、実際にはかなり高用量のモルヒネを使用する場合が見受けられる。この様な状況においてκ受容体を刺激するとモルヒネの増量なしに鎮痛効果の維持ができる可能性が考えられた。

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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